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社説

子育て支援と企業の役割 財源の負担も大事だが

 子育て支援は国を挙げて進めなければならない重要課題だ。それに企業がどのような貢献をすべきなのかを考えたい。

     安倍政権が衆院選の公約に挙げた幼児教育無償化をはじめとした子育て支援などには総計2兆円の財源が必要だ。消費税を10%に上げるときに借金の穴埋めに充てる一部を回すことが決まっているが、それでもあと3000億円が足りない。

     それを企業から拠出金として出してもらう案が検討されている。子育ての経費を企業が負担することには異論もある。しかし、従業員の子育て負担を軽減し、女性が出産しても働き続けられるようにすることは企業にとってもメリットがある。

     現在も保育所の整備には厚生年金の事業主負担分に上乗せされた拠出金制度がある。拠出金料率は従業員の標準報酬の0・23%で、総額は約4000億円だ。今年度は企業が従業員の子どもらのために設ける「企業主導型保育所」の整備費に使途を限って拠出されている。

     これを段階的に0・45%まで引き上げ、約3000億円増やし、一般の認可保育所の運営費に使えるようにすることが検討されている。

     安倍政権は待機児童解消のため2020年までに32万人分の保育の受け皿を整備するという。運営費だけで約1500億円かかる。その財源を企業に求めようというのだ。

     少子化対策で人口減に歯止めを掛けるのは、消費の喚起や労働力確保につながる。こうした社会的役割を企業が担うことには意味がある。

     しかし、企業に求められる子育て支援としては、男性も含めて育児休暇を取りやすくし、出産や育児が不利にならない職場づくりが大事だ。男性の育休取得率は著しく低い。

     富士通は小学6年までの子を持つ社員に短時間勤務を認め、託児所を設置し、ベビーシッターの費用補助の制度がある。育休を取得する社員の上司に研修を義務付け、理解を促している。社員が柔軟に休めるように各種の休暇制度を設けてもいる。多くの企業で実践できるはずだ。

     拠出金を出すだけで社会的責任を果たしたと思われては困る。本来企業が行うべき改善策を率先して行い、女性の活躍や少子化対策にもっと尽力すべきである。

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