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社説

北朝鮮「テロ支援国」再指定 脅威封じる新たな足場に

 北朝鮮危機が続く中、大きな決断と言える。米国はまた北朝鮮を「テロ支援国家」と呼ぶことになった。

     トランプ米大統領が再指定を発表した。2008年に同じ共和党のブッシュ政権が「テロ支援国家」の指定を解いてから9年ぶりである。

     今年2月、北朝鮮の金(キム)正(ジョン)恩(ウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金(キム)正(ジョン)男(ナム)氏がマレーシアで毒物により殺された。

     北朝鮮で昨年拘束された米国人大学生は6月に意識不明の状態で米国に帰り、その後死亡した。

     そんな経緯を思えば再指定は異とするに足りない。米下院は4月、再指定を求める法案を圧倒的多数で可決した。米本土へのミサイル攻撃を口にする北朝鮮への怒りが米国内で高まっていることも再指定の背景に挙げられよう。

     核・ミサイル開発が「テロ支援」に当たるのかという声もある。だが、イスラム過激派などが核に触手を伸ばしているのは事実であり、北朝鮮の不法な核開発などをテロと切り離して考えるのは現実的ではない。

     テロ支援国家に指定された国には、武器関連輸出や経済援助の禁止などが科される。ただ、米国は国連安保理とは別に数々の制裁を発動しており、北朝鮮への「最高レベルの制裁」(トランプ氏)といっても象徴的な措置にとどまりそうだ。

     だが、トランプ氏は関係国に北朝鮮への圧力強化を改めて求めるとともに、北朝鮮にはもうだまされないという強い姿勢を示したのだろう。

     「何年も前に再指定すべきだった」とトランプ氏は言う。確かに、08年の指定解除は核放棄へ導く苦肉の策の性格もあったにせよ、いかにも詰めが甘かった。結果として、北朝鮮をますます手のつけられない存在にしたのである。

     トランプ氏は中国の習近平国家主席の特使の訪朝を「大きな動き」として注目したが、今のところ局面打開への成果は見られない。他方、北朝鮮が再指定に反発して新たな挑発に出れば、小康を保つ北朝鮮情勢はまた緊迫することになろう。

     過去の米政権の対北朝鮮政策を失敗と断じるトランプ政権も、いまだ得点を稼いではいない。北朝鮮の脅威にどう対処するか。手詰まり感がある中で、「テロ支援国家」再指定を新たな足場として活用したい。

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