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社説

トランプ氏の兵器売り込み 安保で商売は納得できぬ

 トランプ米大統領による露骨な兵器売り込みと言っていいだろう。

     今月、来日したトランプ氏は安倍晋三首相との共同記者会見で「日本が大量の防衛装備を買うことが望ましい」と述べた。

     米政府は声明で北朝鮮への対応として「大統領は日本の防衛力の強化と近代的な防衛装備の提供への関与を強調した」と発表した。

     防衛装備のトップセールスはめずらしくない。だが、トランプ氏の売り込みは地域の軍拡競争を自らあおっているように映る。

     トランプ氏は「米国で雇用が生まれる」とも述べた。国防産業の雇用増につながるという米国民向けのアピールなのか。

     同盟関係にある日本が米国の防衛装備を購入することは相互運用性からも有益ではある。しかし、「米国第一」に追従するような野放図の購入なら、国民の理解は得られまい。

     防衛省は防衛装備を長期的な防衛力の規模を示す防衛計画の大綱と、5年ごとの調達内容を示す中期防衛力整備計画に沿って購入している。

     政府は、中国や北朝鮮など安全保障環境が厳しさを増す中、防衛力の「質的、量的な拡充」の必要性を強調する。防衛費は安倍政権発足後、5年連続の増額だ。

     日本は戦闘機F35や輸送機オスプレイ、ミサイル防衛システムなどの装備を米国と購入契約している。

     ただし、こうした高性能で機密性が高い最新装備は日本政府が米政府と直接契約する有償軍事援助(FMS)を通じて購入される。

     米政府が価格設定を主導し、交渉の余地はほとんどないという。近年は米国製の購入額が急増し、今年度のFMSの予算額は5年前の2・6倍にあたる3596億円にのぼる。

     だが米国優位のFMSは問題も多いという。F35は日本製部品の採用を条件に価格が割高に設定された。しかし、会計検査院は一部の機体で使用されていないとして米国と減額交渉するよう求めている。

     米国製に依存し過ぎれば国内企業による装備開発が進まず、受注減にもつながる。米国製と国産のバランスを取る必要もあろう。

     厳しい財政状況の中、日本は適正価格で効率的に装備を購入できるよう米政府と交渉すべきだ。

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