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余録

「横綱」の起源伝説の一つである…

 「横綱」の起源伝説の一つである近江の力士ハジカミに小欄が触れたのは、5年前に2場所連続全勝優勝を果たした日馬富士(はるまふじ)関が横綱昇進を決めた時だった。ハジカミは平安時代の書物に見える名前という▲この力士、強すぎるので、対戦相手は腰にしめた縄に触れただけで勝ちとされたとか。ハジカミはサンショウ、またはショウガの古称という。サンショは小粒で……という軽量の日馬富士関の横綱昇進をたたえる話題としたのである▲今も幕内力士の平均体重より20キロ軽いのに、スピード感あふれる取り口で秋場所には9度目の優勝を果たした日馬富士関だった。その口から「横綱として責任を感じ、引退させていただきます」との言葉を聞くことになってしまった▲相撲ファンが仰天した九州場所3日目の貴ノ岩(たかのいわ)関への暴行事件発覚だった。半月以上前の巡業中に起こったモンゴル人力士らの懇親会での出来事だが、メディアでは暴行のいきさつやけがの程度をめぐる情報が臆測も交え飛び交った▲その間、貴ノ岩関の師匠で相撲協会理事の貴乃花(たかのはな)親方が被害者への協会の聴取を拒む奇怪な行動も世を驚かせた。協会による事実調査が進まないなか、リモコンでの殴打などを認めてきた日馬富士関が自ら見切りをつけた進退だろう▲先輩の暴力による叱責、親方の被害者囲い込みなど、市民社会の良識ではなんとも理解しにくい光景である。ファンを落胆させた横綱引退劇も体質改善への新たな一歩につなげねばならぬ21世紀の大相撲だ。

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