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社説

北朝鮮「核戦力完成」と主張 状況の悪化を食い止めよ

 北朝鮮をめぐる危機が新たな段階に入ったと考えるべきだろう。

 北朝鮮がきのう2カ月半ぶりに弾道ミサイルを発射し、青森県沖約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)に落下させた。

 通常より高い角度に打ち上げるロフテッド軌道だった。山なりに飛ばして飛距離を抑える方法だ。最高高度は初めて4000キロを超えた。飛距離は1000キロに近く、50分以上も飛行した。

 北朝鮮は、米全土に届く新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」だと発表した。

 通常軌道で発射された場合の射程は1万3000キロに達すると推定される。首都ワシントンやニューヨークなども射程に収めたことになる。

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は発射に立ち会い、「核戦力完成の歴史的大業が実現された」と語った。正確に何を意味するのか不明ではあるものの、核兵器で米国を攻撃できる能力を保有したという宣言であれば危機のレベルは格段に高まったことになる。

 北朝鮮は、米国に対する抑止力を確保しようと核・ミサイル開発を急いできた。後ろ盾である中国の反対すら無視する裏には、体制生き残りのためには核保有しかないという切迫した思いがあろう。

 北朝鮮は核保有国という対等の立場で米国と交渉することを望んでいる。金委員長の言葉はそうした交渉を仕掛けるための布石に見える。

 米国の一部には、北朝鮮の核保有を容認せざるをえないという主張がある。米本土を狙うICBMの配備を阻止するか、互いにけん制しあい使用させない核抑止の論理で対応すればよいという考えだ。

 だが、そうした状況は日本として受け入れがたい。日本と韓国は核の脅威にさらされ続けることになりかねないからだ。米国が自国への核攻撃を覚悟してまで日韓を守ってくれるだろうかという疑念が生じれば、同盟関係が揺らぐ恐れもある。

 日本にできることは限られているが、手をこまねいているわけにはいかない。米韓と連携して中国、ロシアに働きかけ、北朝鮮に核放棄を迫る包囲網を強めていく必要がある。さらなる状況悪化を食い止める外交努力を尽くさねばならない。

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