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炎のなかへ

/26 アンディ・タケシの東京大空襲 石田衣良 望月ミネタロウ・画

三月七日(22)

 ストーブを囲む金網の戸を開けて、火かき棒をとった。真っ赤に腹の焼けたストーブの口を叩(たた)くように開けると、なかの石炭を勢いよく掻(か)きだしてしまう。

 ストーブの足元にあるトタンの防火板に、燃える石炭が広がった。火の粉が飛び散り、一瞬あたりを放熱が満たす。タケシは友人の顔を見た。テツとミヤが唖然(あぜん)と見つめ返してくる。引きつった顔に石炭の赤光が反射して、やせた小鬼のようだ。顔が熱い。

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