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スーパーセル

クラロワでeスポーツに進出した理由

スーパーセルのeスポーツ・アジア担当、クリス・チョーさん=ロンドンのカッパー・ボックスアリーナで2日、兵頭和行撮影

 フィンランドのモバイルゲーム会社「スーパーセル」は、ゲームアプリ「クラッシュ・ロワイヤル」(以下クラロワ)の世界一決定戦を3日、英・ロンドンで開く。世界187カ国から2700万人が参加し、勝ち残った8カ国・地域の16人がトーナメント方式で対戦する。賞金総額1億円を投資し、モバイルゲームとしては珍しいeスポーツの世界大会を開催する狙いは何か。同社のeスポーツ・アジア担当のクリス・チョーさんとクラロワのゲーム開発責任者のジョナサン・ダウワーさんに話を聞いた。【兵頭和行、平野啓輔】

チョーさん「プレーヤーが楽しんでセレブレーションできる形を模索」

 --eスポーツに進出した狙いは?

 クラロワをリリースしてすぐに、プレーヤーたちが自然とトーナメントやイベントを開催しはじめた。また、ゲーム内にあるクラロワTVをプレーヤーが観戦し、何億人にも視聴されていることがわかった。その現象から、会社として公式に大会やイベントを運営することが必要と考えた。弊社の企業理念は“多くの人に長年愛されプレーされるゲームを作る”ことである。それを実現するためには、プレーヤーが楽しんで消費するコンテンツや体験を作ることが必要だった。

 --世界大会を開催することで新たな発見は?

 この大会を通して学んだことはたくさんある。特に参加しているプレーヤーは187カ国とグローバルで、代表選手16人は16歳から子供がいる30代以上と年齢の幅が広いことも特徴だ。

 --世界大会の参加者は2700万人。一般的なスポーツの大会と比べると空前の規模だ。

 とても大きな数字だ。大事なのは2700万人全員がコアなプレーヤではないことだ。競争だけではないカジュアルなプレーヤーも多く参加していた。それは伝統的なスポーツとの大きな違いである。五輪に出たい選手は全員がコアだが、クラロワはそういうスポーツと違って、カジュアルな人も大会に参加することができる。

 --日本のフチさんは無課金で代表に上り詰めた。世界的にも異例か?

 確かにレアな状況だ。クラロワは無料でダウンロードできるゲームで、課金をしなくてもうまくなれる。しかし、実際は多くのプレーヤーが課金することを選んでいる。

 --今後の展開は?

 2018年に大きな計画をいろいろと考えている。具体的なことはまだ言えないが、今回の世界大会とは違ったフォーマットを、たとえば2対2だったり、地域ごとに国際試合を行ったりすることなども考えている。とにかくプレーヤーが楽しんでセレブレーションできるようなフォーマットを模索したい。

 --2022年のアジア大会では、eスポーツが正式種目に採用された。

 とても楽しみだ。五輪やアジア大会の動向は常にフォローしていて、とてもいい兆候だと思っている。実際、このスポーツイベントにどのゲームが採用されるかはまだわからないが、ゲーム業界やプレーヤーにとってポジティブなことだ。

スーパーセルの「クラッシュ・ロワイヤル」ゲーム開発責任者、ジョナサン・ダウワーさん=ロンドンのカッパー・ボックスアリーナで2日、兵頭和行撮影

ダウワーさん「プレーを学ぶのは簡単でもマスターには時間がかかることを意識」

 --スーパーセルのゲームは1日当たりのアクティブユーザー(1回以上サービスを利用する人)の数が1億人いる。

 ゲーム開発では、簡単にプレーできること、誰にでもプレーできることを意識している。さらに楽しいこと、何かしらの報酬があることも大切だ。そこには奥深さも必要なので、プレーを学ぶのは簡単でもマスターするには長い時間がかかるゲームを作ろうとしている。とても難しいが、そうした努力の効果が出ているのだろう。

 --クラロワリリース前に、イルッカ・パーナネンCEOから「リアルタイム対戦ゲーム(PvP)は誰もやらない、売れるわけがない」と言われた。

 リリース前に社内で遊んだ際、PvPであることに社内では懸念の声があった。だから、PvPではあるけれども、簡単に遊べて学べるようにすることを意識した。実際に出すと人気が出て、大きなチャンスをつかむことができた。

 --ゲームのeスポーツ化に開発者としての思いは?

 非常にわくわくしている。クラロワはeスポーツのために開発したゲームではない。リリース前に社内で対戦イベントを開いたことがあり、みんなが叫んだり、笑ったり、観戦者がすごく盛り上がったりして、バトルというよりは楽しい雰囲気がすごく印象的だった。実際にリリースされ、プレーヤーたちが自然とイベントを開くようになっていたので、サポートすべきだと感じた。

 --スマホ以外のプラットフォームにゲームを供給することはないか?

 今のところ計画はない。我々の会社はすごく小さいし、モバイルというプラットフォームにポテンシャルを感じている。モバイルでプレーする際のコントロールを意識しているので、他のプラットフォームへの適応には時間がかかる。今はモバイルに集中したい。

 --日本のゲーム文化への評価は?

 開発チームのメンバーは任天堂のゼルダやマリオを遊びながら育ってきて、非常にリスペクトしている。何か新しいゲームを開発する時は、任天堂のゲームが持っているシンプルさ、誰でもプレーできるところを非常に参考にしている。任天堂のことを考えるとノスタルジックな気持ちになる。

クラッシュ・ロワイヤル

 スマートフォンとタブレットで遊べる対戦型カードゲームで、世界中のプレーヤーとリアルタイムで対戦できる。ゲームはプレーヤー同士が自ら選択した8枚のカードを使って、制限時間内に相手のタワーを一つでも多く破壊した方に軍配が上がる。

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