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余録

尺八曲「鶴の巣籠」といってもどんな曲か思い浮かぶ方は少なかろう…

 尺八曲「鶴(つる)の巣(す)籠(ごもり)」といってもどんな曲か思い浮かぶ方は少なかろう。それが人類の代表的音楽の一つとして宇宙人にも聞いてもらえるかもしれないのは「ゴールデンレコード」に収録されたからである▲金属製のこのアナログレコード、40年前に打ち上げられた探査機「ボイジャー」に搭載された。知的生命体との遭遇に備え、世界55言語のあいさつ、雷などの自然音、クラシックやロックなどと共に各地の伝統音楽も収録されたのだ▲うちボイジャー1号に搭載された1枚はすでに5年前に太陽系から離れ、地球から約210億キロ離れた宇宙の恒星間飛行を続けている。同機は地球から最も遠くを飛行する人工物となり、電波が届くのに実に19時間以上かかるという▲この飛行を思い出したのは、先日、米航空宇宙局(NASA)が37年ぶりに噴射エンジンを動かすのに成功したとの外電を見たからだ。アンテナの位置を調整したのだが、「何十年も車庫に放置した車が動いたようなもの」だという▲今一つは例のゴールデンレコードが来年初めに一般向けに販売されるという米メディアの報道である。打ち上げ40年を前にした昨年、このレコードが寄付を募って復刻された。今回はそれをボックスセットにして一般販売するそうだ▲ボイジャー1号が次に恒星に近づくのは約4万年後、接近とはいえ1・7光年以内という話だから気が遠くなる。その先は銀河の中心を2億何千万年かかけて周回しながら聞き手を探し続ける尺八の名演である。

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