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野生ライチョウ

腸に毒素分解の特有細菌 飼育種はなし

野生のニホンライチョウ=富山県の立山連峰で2015年5月撮影(牛田一成・中部大教授提供)

 国の特別天然記念物で絶滅の危機にある野生のニホンライチョウの腸内に、餌の高山植物の毒素を分解する特有の細菌が存在することを中部大などのグループが見つけ、8日の環境省の検討会で報告した。環境省などは2015年からライチョウの人工飼育に取り組んでいるが、人工飼育のライチョウは腸内細菌の種類が異なり、野生に戻す際の支障になる可能性がある。

     人工飼育のライチョウは、野生種が食べるタデなどの高山植物を与えると下痢を起こす。グループは生息地の南アルプス・北岳などで採取した野生ライチョウのフンと人工飼育のライチョウのフンに含まれる細菌を比較した。人工飼育の場合はヒトなど哺乳類の腸内に近い細菌が多かったが、野生種からは新種を含む固有の細菌群が見つかった。

     中には高山植物に含まれる毒素のタンニンやシュウ酸などを分解できる細菌もあり、高山植物を食べて生き延びるために必要な細菌の可能性がある。野生のライチョウは母鳥のフンをひなが食べることから、ふ化直後に母鳥の腸内細菌を受け継ぐと考えられる。

     研究代表者の牛田一成・中部大教授(動物生理学)は「毒素を含むユーカリの葉を食べられるよう、母親のフンから腸内細菌を受け継ぐコアラの生態に似ている。人工飼育のライチョウにも野生の腸内細菌が定着するか研究を進めたい」と話す。【五十嵐和大】

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