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余録

「おい、見ろよ。監督が新しい赤ん坊を…

 「おい、見ろよ。監督が新しい赤ん坊を連れてきたぜ」。チームメートの前に現れた丸顔の赤ん坊(ベーブ)というのが伝説の本塁打王ベーブ・ルースの名の由来だが、定着したのは何日か後の事件ゆえだった▲ルースは生まれて初めて見たホテルのエレベーターで遊んでいて、首の骨を折りそうになったのである。監督やチームの仲間にさんざん怒られ、「おまえは本当に赤ん坊だなあ」と、度外れた世間知らずをからかわれることになった▲その若きルースが1918年に記録した13勝7敗の投手成績と11本塁打の打撃成績がメジャー唯一の2けた勝利・本塁打記録という。彼は前シーズンに24勝し、また18年のワールドシリーズで29回連続無失点を記録した好投手だった▲では来シーズン、100年ぶりの記録が生まれるのか。そんな全米の野球ファンの注目を一身に受けての大谷翔平(おおたに・しょうへい)選手の米エンゼルス入りである。日本での投打の「二刀流」の実績を引っ提げ、かつてない形でのメジャー挑戦となる▲「マネーボール」の国、米国では市場価値2億ドルといわれた大谷選手だ。名門球団を尻目に中堅球団のエンゼルスがその1割の資金で早々に獲得することができたのは、大谷選手の投打二刀流の夢に最も積極的に応えたからのようだ▲ベビーフェースの大谷選手だけに二刀流の夢にかける選択を「世間知らず」という向きもあろうが、その意気や良しである。まず初めに度外れた情熱なしには始まらないベーブ・オオタニ伝説の第1章だ。

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