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ウマ女十番勝負

(番外編)ワンスインナムーンは「毎月一回」 往復2万円で香港競馬へ

香港国際競走で行われた、香港マイル。シャティンはコースが近く、迫力満点=中嶋真希撮影
香港国際競走が開催された、シャティン競馬場=中嶋真希撮影
香港スプリントの出走馬リスト。ワンスインナムーンは「毎月一回」=中嶋真希撮影
香港カップのパドックでのスマートレイアー(上)と、香港スプリントのレッツゴードンキ。2頭は香港遠征ですっかり仲良しになったらしい。馬番まで一緒だ=中嶋真希撮影
ずっと会いたかった、フランスのタリスマニック=中嶋真希撮影

 世界の名馬が集まる香港国際競走が10日、シャティン競馬場で行われた。1日で四つのG1レースが開催されるビッグデー。日本からも8頭が挑んだ。2016年の凱旋門賞から海外レースの馬券が買えるようになったため日本国内でも楽しむことはできる。しかし、レースの迫力や喜怒哀楽は現地で観戦してこそ。デジタル編集部のウマ女記者、“真希バオー”も香港へ飛んだ。【中嶋真希】

 香港インターナショナルレースデー、略してHKIR。スイスの時計メーカー「ロンジン」がスポンサーで、この時期になると街中にHKIRやロンジンの大きな広告が登場する。G1の香港ヴァーズ(2400メートル)、同スプリント(1200メートル)、同マイル(1600メートル)、同カップ(2000メートル)が1日で行われる。世界の名馬が集結するため観客も国際色豊かだ。

 真希バオーが香港に行くのは昨年に続き2回目。世界の名馬に会えることや、馬券の種類の豊富さ、ドレスアップした観客など、香港競馬は魅力たっぷりだ。

往復約2万円 安宿で貧乏旅行

 海外遠征はハードルが高いように思われるが、香港なら日本国内で“旅打ち”するのとそう変わらない。LCC(格安航空会社)を早めに予約しておけば、飛行機代は往復で約2万円。フライト時間も4~5時間と短く、土曜の朝に出発して日曜の深夜便で帰ってくることができる。

 香港は地価が高いためホテルも高価だが、今回選んだのは、複合ビル「重慶大厦(チョンキンマンション)」のゲストハウスで、1泊3000円。このビルには安宿が密集しており、作家の沢木耕太郎さんが「深夜特急」で泊まったことで有名だ。「危ない」「汚い」という声も聞いたが、部屋は、トイレの上にシャワーがあったり、窓がなかったりはするものの、思っていたよりきれいで驚いた。真希バオーは元バックパッカー。“貧乏旅行”も楽しい。

「神燈光照」は、どの馬のことでしょう?

 シャティン競馬場は、中心部から電車で30分弱。開催日のみ停車する馬場駅を出ると、そこはもう競馬場だ。入場料は10香港ドル(約150円)だが、観光客はパスポートを見せて190香港ドル(約2850円)を払えば会員エリアに入れる。あちこちから聞こえてくる日本語。はるばる香港まで競馬を見に来る“仲間”たち。みんな、表情がいきいきとしている。

 競馬場へ行く前に、コンビニで買っておきたいのが競馬新聞だ。広東語がわからなくても、日本馬の中国名を見るだけでもおもしろい。

 香港の競走馬は、英語名と中国語名を持っている。例えば、ビューティーオンリーは「美麗大師」。外国馬にも、統括団体の香港ジョッキークラブが漢字4文字の中国名をつける。今回、競馬ファンの間で大きな話題になったのが、スプリントに出走したワンスインナムーン。その中国名は、なんと「毎月一回」。まだ重賞は勝ったことがない馬。これからは、毎月一回勝つというサインかも。

 他の馬はどうか。サトノアラジンは「神燈光照」。魔法のランプを表しているのだろう。サトノクラウンは「里見王冠」、サトノダイヤモンドは「里見光鑽」と、サトノが冠の馬には「里見」を付けるのが定番だったが、例外もあるようだ。

 ちなみに、アイルランドの名馬ハイランドリールは「高地之舞」。フランス馬で「魔術を持っている」という意味のタリスマニックは「攻心如焚」。攻める心、燃えるごとし。なんだか情熱的な名前だ。

香港馬の活躍光る

 シャティンで日本馬を見ることが一番の目的ではあるが、日本では会えない海外の馬を近くで見るのも大きな楽しみの一つ。真希バオーのお目当ては、タリスマニックだ。サトノダイヤモンドが凱旋門賞の前に出走したフォワ賞で3着。前走のBCターフ(アメリカ、G1)では、ハイランドリールをおさえて優勝している。黒鹿毛に白い顔と個性的なルックスで、いつか会いたいと思っていた。この日のレースでは、ハイランドリールに食らいついて2着。ハイランドリールは7度目のG1制覇で、有終の美を飾った。こんな名レースが見られるなんて、香港まで来たかいがあった。

 今年目立ったのが、香港馬の活躍だ。トーセンバジルがヴァーズ3着、ネオリアリズムがカップ3着と日本馬も健闘したが、3年ぶりに優勝馬が出なかった。ミスタースタニング(スプリント)、ビューティージェネレーション(マイル)、タイムワープ(カップ)と、3レースで香港馬が優勝。うち2頭が逃げ切り勝ちだ。

 もし日本でテレビ観戦していたら、日本馬のことだけを見て終わっていたかもしれない。間近で見ていると、「あの馬、いいな。どこの馬だろう」と、他国の馬の魅力にも気づく。昨年のマイルを勝ったビューティーオンリーに、安田記念で再会できた時はうれしかった。香港に来れば、競馬の世界はぐっと広がる。

 さて、馬券のほうは? 2レースで3連複を的中させたが、払戻金は安く、旅費はまかなえなかった。しかし、世界の名馬たちと過ごした時間は、値段以上の価値がある。全レースが終わった後に打ち上げられる花火を見ながら、また戻ってくることを誓った。

全レース後に打ち上げられる花火=中嶋真希撮影
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