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余録

「で、みんなどこにいるんだい?…

 「で、みんなどこにいるんだい?」--ノーベル賞学者のフェルミは問うた。宇宙に地球のような星は数多いはずなのに、なぜ人類は宇宙人やその痕跡に出会わないのか。「フェルミの逆説」と呼ばれている▲問いかけは科学者、哲学者、作家からSF好きの小学生まで巻き込む論争を生む。「恒星間の航行は技術的に困難」「地球以外に知的生命はない」「宇宙人の来訪や信号を人類が認識できない」「宇宙人は引っ込み思案なのだ」……▲「動物園仮説」とは地球は宇宙人の動物園か自然保護区で、人類は遠くから見物されているというもの。宇宙には電波を出すような生命体を探し、殺りくして回る連中がいるという怖い説もあって「皆殺し集団仮説」と呼ばれている▲だから先ごろ、太陽系外から飛来した天体が史上初めて観測されたという発表があった時、身構えた方もいよう。しかもこと座方向から来たこの天体、長さ400メートルの葉巻形で、太陽系の小天体にはなかった形状だからドキッとする▲天体が「オウムアムア」、ハワイの言葉で「最初の偵察者」と命名されたのも成り行きだろう。ホーキング博士が率いる研究グループは天体が発する電波などを調査したが、信号が検出されなかったのには落胆すべきか安心すべきか▲オウムアムアはすでに地球からは遠ざかりつつあり、やがてペガスス座方向へ向けて太陽系を去る。未知の方法で地球人の行(ぎょう)状(じょう)を見てしまった宇宙人は、もしや殺りくを恐れて息を潜めているのではないか。

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