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社説

習近平・文在寅会談 韓国のジレンマが目立つ

 中国に足元を見られる韓国の現状が透けるような会談だった。

     韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が訪中し、中国の習近平国家主席と会談した。

     両首脳は北朝鮮情勢に関する「4原則」に合意した。戦争を容認しない、対話で解決するなどの内容だ。平和的解決は重要だが、トランプ米大統領の強硬路線に対するけん制だと受け取られる余地がある。

     文氏はトランプ氏との会談では圧力強化で合意していた。にもかかわらず、国連安全保障理事会の制裁決議にも触れない「原則」では一貫性を欠いていないか。

     文氏は、来年2月の平昌冬季五輪への習氏の出席を望んでいる。今回の訪中は、そのための地ならしと位置づけられていた。北朝鮮に選手団を派遣するよう働き掛けてほしいという中国への期待もある。

     だが、文氏を迎えた中国の姿勢は冷めたものだった。

     文氏は国賓として招待されたものの、両首脳の共同記者会見はなく、共同声明も作成されなかった。五輪に合わせた習氏への訪韓要請にも明確な回答はなかった。

     中国の強硬姿勢は、朴槿恵(パククネ)前政権末期に決まった在韓米軍への終末高高度防衛(THAAD)ミサイル配備への反発に起因するものだ。中国は今年初めごろから韓国に事実上の経済制裁を加えてきた。

     韓国経済の貿易依存度は日本の倍以上となる60%超で、対中貿易は全体の4分の1に達する。化粧品など特定の韓国商品が狙い撃ちされ、中国に進出した韓国企業は不買運動で大きな損害を受けた。韓国内でも、昨年800万人だった中国人観光客の激減に業界が悲鳴を上げた。

     文政権は結局、THAADの追加配備を行わないことや日米韓の安全保障協力を同盟に格上げしないと表明して事態収拾を図ろうとした。ところが中国側は矛を収めていない。習氏は今回も、同様の事態が再び起きないよう求めた。

     韓国は安保で米国、経済で中国に依存するというジレンマを抱える。外交のかじ取りは難しかろうが、直面する最大の危機である北朝鮮情勢では日米韓の連携が必要不可欠だ。対中関係を重視するあまり、日米韓の離間を狙う北朝鮮を利することがあってはならない。

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