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アクアライン

通行料800円奏功 潤う地元 開通20年

東京湾アクアライン=2017年12月15日、本社ヘリから

 川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアライン(全長15.1キロ)は18日、1997年の開通から20年を迎える。当初、想定の半分以下の1日平均1万台前後に低迷した交通量は4万台を超え、首都圏に多大な経済効果をもたらす動脈となったが、そのきっかけになった通行料金800円(ETC普通車)は暫定措置のままだ。値下げ運動を展開した関係者らの「恒久化」を求める声は根強い。

 「ご無沙汰してます」「元気か」。今月1日、東京・霞が関の財務省。麻生太郎財務相を訪ねたのは千葉県の森田健作知事だ。笑顔であいさつを交わすと、森田氏は麻生氏に要望書を手渡した。その柱の一つが「普通車ETC料金800円の継続」だ。800円化から8年が経過した今もこの要望をたびたび続けているのは、値下げがあくまで暫定措置であるためだ。

 「房総半島の閉塞(へいそく)感を打破する架け橋」と期待されたアクアラインの開通時の普通車料金は4000円。他の高速道路の同距離の5~7倍と割高で、1日2万5000台程度を見込んだ交通量は低迷し、2000年に3000円、02年に2320円(ETC)と引き下げられたが効果は限定的だった。

 「800円化」を公約にした森田氏は09年3月に初当選すると、当時首相の麻生氏を官邸に訪ねて直談判。「できるわけねえじゃねえか」と一蹴されたが、食い下がり、財源の半分の年10億円を県が負担することで折り合い、同年8月、「社会実験」という形で値下げが始まった。国との交渉にあたった当時副知事の石渡哲彦さん(70)によると、一度は国から「1000円」が了承され、石渡さんも満足したが、森田氏は納得しなかったという。そのこだわりがなければ「1000円だったかもしれない」と石渡さんは振り返る。

 値下げ後の8年間で交通量は2倍になった。東京へのバス通勤も増えた木更津市は人口、税収とも増え、昨年の住宅地の基準地価は、県内市町村で上昇率が最大となった。県が今年1月に発表した値下げによる経済効果(14年4月~16年9月)は、観光客の消費728億円▽物流などの活性化による企業の設備投資36億円▽生産額の増加105億円など869億円に上る。

 一方、平日夕方や週末を中心に渋滞緩和が課題になり、NEXCO東日本は交通量の分散のため、今月から、人工知能で渋滞を予測して結果を配信し始めた。広い県内では、北東部などその恩恵が十分に行き届かない地域も多く、「いつまで負担を続けるのか」という声があることも現状だ。

 社会実験終了後の14年度以降は国と県が割引の原資を負担する形で継続され、普通車以外も、大型車の1320円など3分の2程度の割引となっている。かつて値下げを目指し署名活動した木更津市の不動産会社経営、高橋浩さん(55)=現千葉県議=は「いつ元に戻っても不思議はない。危機意識を持って恒久化を訴えていく」と話している。【加藤昌平、町野幸、信田真由美】

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