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社説

上野動物園のシャンシャン人気 日中に薄日が差すなかで

 東京・上野動物園で6月に生まれたジャイアントパンダの雌の子どもシャンシャン(香香)が、きょうから公開される。

     同園では1988年に生まれたユウユウ以来、29年ぶりだ。1日約400組限定の年内の観覧には、多い日で144倍もの応募があった。

     木に登ったりササをくわえたりする仕草は愛らしい。公開にこぎつけた関係者の喜びはひとしおだろう。

     パンダが初めて日本に来たのは72年だ。同年の日中国交正常化の「友好の証し」として上野動物園にカンカン、ランランの2頭が贈られた。

     国中が「パンダブーム」に沸き立ち、両国の友好に大いに貢献した。

     今では、上野の3頭をはじめ、和歌山県のレジャー施設に5頭、神戸市に1頭の計9頭がいる。

     パンダは、絶滅の恐れがあるとされ、84年にワシントン条約で国際間の取引が禁じられた。繁殖研究目的での貸借は可能となり、シャンシャンの両親も中国から年額約1億円で借りている。生まれたシャンシャンの所有権も中国にある。生後2年を超えると中国に返還する約束だ。

     上野動物園では、中国の研究者らを招いて繁殖研究を進めるなど、パンダを介した民間交流も進んだ。

     中国は、戦略的にパンダを使った、いわゆる「パンダ外交」を欧米やアジア各国に対して展開してきた。

     国のイメージアップを図るなど、さまざまな思惑とともに、各国との関係を築く材料にしてきた。

     だが、中国の海洋進出などで日中関係は近年冷え込んできた。2012年の尖閣諸島の国有化問題でさらに悪化した。

     その関係に今年、薄日が差しつつある。11月の日中首脳会談では、習近平国家主席が笑顔で、安倍晋三首相と握手を交わした。

     非営利団体「言論NPO」などが実施した世論調査でも、日中関係が「悪い」と感じる割合は、日本では昨年より30ポイント近く減った。中国でも14ポイント減少している。改善傾向の表れだろう。

     中国外務省もシャンシャンを「友好の使者」と呼んでいる。

     今年は日中国交正常化から45年の節目でもある。希少動物保護の共同研究をさらに進めるなど、関係改善機運が高まることを期待したい。

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