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社説

医療・介護の報酬は微増 持続可能な制度のために

 医療・介護・障害福祉サービスの2018年の報酬改定率がいずれも微増になることが決まった。

     今回は6年に1度の3報酬の同時改定に当たる。財務省は膨張する社会保障費の圧縮を主張し大幅のマイナス改定を求めたが、医師会などの意向を受けた自民党が反発した。

     結局、医療は薬価を大幅に引き下げる一方で、医師の技術料など本体部分を0・55%アップすることになった。介護は0・54%、障害福祉も0・47%のプラス改定で決着した。

     人口の多い団塊世代が75歳を超える2025年は目前だ。今のうちに医療・介護の体制や連携を強化しなければならない。経営が苦しい病院は多く、勤務医も疲弊している。プラス改定はそうした事情を反映したものと言えるだろう。

     ただ、75歳以上の人口の増加に伴い、今後も医療や介護を必要とする人は増えていく。専門性の高い病院が軽症の患者の対応に追われ、介護で対応できる人まで医療が抱え込んでいる現状を改める必要がある。

     現在は医療機関が検査や投薬をするほど収入が増える「出来高払い」が診療報酬の基本だ。過剰な検査や投薬が医療費を膨張させているだけでなく、多くの薬を服用することによる副作用の弊害も指摘される。

     高齢になると複数の慢性疾患を持つ人が増える。こうしたケースでは1人の患者に複数の治療をしても一定額の報酬にする「定額払い」を基本とすべきだ。必要に応じて専門的な医療を受けられる制度へ転換しなければならない。

     患者が自由に病院を選んで診療を受けられる「フリーアクセス」が日本の医療の特徴で、その恩恵を評価する患者は多い。しかし、いつでも、どの病院へも患者が訪れることが勤務医の疲弊を招き、過剰な医療の温床にもなっている。フリーアクセスの制限についても検討は避けられないだろう。

     そのためには信頼できる「かかりつけ医」を増やすことが何よりも必要だ。訪問看護や介護との連携を密にして、地域で安心して暮らし続けられるようにしなければならない。

     個々の診療や介護サービスの報酬の配分を決める議論が年明けから本格化する。制度の持続可能性を高めるため、大胆な改革が必要だ。

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