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余録

「膝とも談合」とは一人で思いあぐねるより…

 「膝とも談合」とは一人で思いあぐねるより、膝小僧でも何でも誰かと相談した方がいい結果になるということわざである。「ネズミの婿の談合」は昔話をもとにしたことわざで、なかなかまとまらない話をいう▲一見硬い漢語の「談合」だが、実は日本で作られた言葉である。もともと「かたりあう」を漢字に移し変えたもので、平安時代から使われていた。庶民にも身近なのでことわざにもなり、江戸時代の浮世草子(うきよぞうし)にもよく用いられている▲中央高速道路のサービスエリア(SA)の「談合坂」も由来は諸説あるが、談合が身近な言葉だったことをうかがわせる地名だろう。そのSAの約10キロ南を通る予定のリニア中央新幹線の建設をめぐる大手ゼネコンの談合疑惑である▲振り返れば12年前に談合からの決別を宣言した各社だった。だがやはり体質までは変わらなかったか。リニア建設工事の不正受注で、大手ゼネコンの1社は4社による受注調整があったことを公正取引委員会に申告すると伝えていた▲禁止された談合に加わった会社が、自発的に違反を申告すれば課徴金や刑事罰を減免するこの制度である。どだい不当な利益をかすめとる欲得ずくの談合ならば、その内情が課徴金逃れの欲得ずくで暴露されるのも当然の結果だろう▲昔は談合が日本社会の美風という人もいたが、建設業界の好況と人不足がそんな感覚をよみがえらせたのか。9兆円の未来プロジェクトの前途に、にわかに暗雲を垂れこめさせた談合文化の健在である。

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