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余録

「投機のエピソードのすべてに共通しているのは…

 「投機のエピソードのすべてに共通しているのは、世の中に何らかの新しいものが現れたという考えがあることだ」。米国の経済学者、ガルブレイスは「バブルの物語」(ダイヤモンド社)でそう書いている▲近代的市場で初めて起こった大規模な投機の対象になったのは株でも不動産でもなかった。チューリップの球根である。17世紀オランダでのことだが、この花が西欧にもたらされて人々を魅了すると、利殖目的で球根が買われたのだ▲球根価格は天井知らずに暴騰、1個で「馬車、葦毛(あしげ)の馬2頭、馬具一式」と交換できたという。むろんバブルははじけ、残ったのはただの球根と破産者の群れである。このチューリップ・バブルの話をよく耳にするここ数カ月である▲電子的データにすぎないのにどの国家の保証もなく流通する仮想通貨だ。この新現象が投機を呼ぶのは、先の洞察によれば避けられそうにない。仮想通貨ビットコインは一時年初価格の20倍を超える急騰をした後、乱高下をしている▲気になるのはその間の取引の4割が日本円ベースという話である。相場をリードしたのは日本人投資家ともいわれる。もとをたどれば球根1個すらない仮想通貨に適正価格はなく、人々の思惑のからみ合いで急騰も暴落もする相場だ▲「ユーフォリア(多幸症(たこうしょう))」とガルブレイスはバブルへの熱狂を評した。彼は19世紀の英エコノミスト誌の金融記者、バジョットの言葉を引く。「あらゆる人は、最も幸福な時に最もだまされやすいものだ」

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