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社説

過去最大の来年度予算案 歯止めなき膨張の危険性

 借金まみれの危機的な財政を一段と深刻にしかねない内容だ。

 政府は2018年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は6年連続で過去最大の97・7兆円に上る。

 安倍晋三首相が、借金返済に回すはずだった19年の消費増税の使い道を変更し、20年度の財政健全化目標を棚上げした直後の編成である。

 増税で国民に負担を求めるなら無駄を徹底して省くのが筋だ。だが健全化目標という歯止めを欠いたまま、歳出をずるずる膨張させた。

 まず危ういのは税収増を当てにする手法だ。景気回復が続くとして税収はバブル期以来の高水準を見込む。歳出を増やしても新たに出す国債は減り、政府は「経済再生と財政健全化を両立させた」と強調する。

 それでも新たな国債は33兆円台と歳入の3分の1以上を占め、借金漬けに変わりはない。国と地方の借金残高は1100兆円を超す。しかも税収は景気に左右される。景気頼みの借金減らしは都合が良すぎる。

 健全化には着実な歳出削減が欠かせない。景気が回復しているなら、痛みを伴う歳出改革にも取り組みやすいはずだが、ほぼ手つかずだ。

 高齢化で増え続ける社会保障費は過去最大の約33兆円に達した。政府は待機児童対策に重点を置いたと説明するが、高齢者に偏った配分を大胆に組み替えることはしなかった。

 公共事業費も約6兆円と6年連続で増えた。17年度補正予算案にも1兆円超を計上し優遇が際立つ。農業の土地改良費は民主党政権前の水準に戻した。自民党の支持団体へのばらまきとみられても仕方がない。

 北朝鮮情勢を理由に防衛費も過去最大を更新した。さらに消費増税分を充てる教育無償化は19年度以降に本格計上と大盤振る舞いが続く。

 政府が危機感に乏しいのは日銀の金融緩和で金利が極めて低いからだ。だが、安住する余裕はない。

 団塊の世代が75歳以上になり、社会保障費が急増する「2025年問題」は目前に迫る。巨額の借金を抱えたまま歳出がどんどん膨らめば、財政は持続できなくなる。裕福な高齢者には医療費の負担増を求めるなど踏み込んだ対応が必要だ。

 首相は新たな財政健全化目標を来年示す方針だ。抜本改革に取り組む道筋を明示すべきである。

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