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社説

北朝鮮への石油禁輸強化 強い危機感を示す警告だ

 国連安全保障理事会が北朝鮮に対する10回目の制裁決議を採択した。北朝鮮の生命線である石油と外貨収入に照準を合わせたもので、圧力はさらに強まった。

 ガソリンなど石油精製品の輸入は現状から9割減の年間50万バレルに制限される。原油は現状維持だが、北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を続けるなら石油供給をさらに制限するという警告が盛り込まれた。

 北朝鮮は制裁強化を想定して備蓄を進めてきた。さらに密輸での調達増を図ると予想されるが、それには限界があろう。北朝鮮のエネルギー事情は一段と厳しくなるはずだ。

 北朝鮮からの輸出に対する制限も強化された。これまでの制裁と合わせ、輸出による外貨収入はゼロに近くなる。外国で働く出稼ぎ労働者を2年以内に受け入れ国が送還するという措置も、外貨稼ぎの道をふさぐためだ。

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、権力の基盤固めや核・ミサイル開発のために外貨を必要としている。外貨収入の道を断ち、金委員長に痛みを実感させることが重要だ。

 北朝鮮をめぐる状況は、この2年間で急速に悪化した。

 北朝鮮が初めて核実験を行った2006年からの10年間で制裁決議は4回だった。それなのに昨年が2回で、今年はこれで4回目になる。

 北朝鮮は今年、広島型原爆の約10倍に達する威力の核実験を行い、米本土をうかがうICBMの発射を繰り返した。金委員長は先月、「核戦力を完成させた」と主張した。

 トランプ米大統領は強硬姿勢を見せるものの、米国の基本政策は北朝鮮を交渉の場に引き出すことだ。ただし、北朝鮮が緊張を高めるようなことをすれば軍事衝突に発展する可能性もある。

 危機が深まったという認識は国際社会に共有されている。

 北朝鮮の後ろ盾である中国は制裁履行を強調するようになった。ロシアは今回、北朝鮮労働者の送還を受け入れた。東南アジアやアフリカ諸国も北朝鮮と距離を置き始めた。

 北朝鮮の核保有を認めないという国際社会の姿勢は厳しさを増している。北朝鮮は自らの孤立を直視し、政策を転換しなければならない。

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