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平成30年インタビュー

(6)薮内都さん 芸術と福祉を仕事に

障害者作業所で店舗のポリ袋を切り貼りしてカラフルなバッグを創る活動をしている藪内さん=大阪府岸和田市で、貝塚太一撮影

 平成時代が始まって今年で30年目を迎える。バブル景気の絶頂から崩壊、失われた20年、阪神大震災や東日本大震災など相次ぐ大きな災害--。激動の時代に育ち、新たなステージに向け飛躍を期す6人の若者に未来への抱負を語ってもらった。

 色とりどりのポリ袋を再利用したバッグが工房の窓際につるされ、日光を受けて柔らかく光る。ビニール片を切る、貼る、アイロンをかける。それぞれの工程を障害者が担い、一つの商品を作り上げる。薮内都さん(29)が代表を務める服飾雑貨ブランド「poRiff(ポリフ)」の仕事だ。大阪府内2カ所の障害者作業所を拠点とする。

 芸術と福祉を学んでいた大学生時代、実習で児童養護施設や保育園を訪れ、障害のある子供たちと関わる楽しさを知った。アートやデザインを通じて障害者と関わりたいと考え大学院に進学。実践現場を見ようと、全国の障害者施設を訪ね歩いた。

 当時は障害者による「アウトサイダーアート」と呼ばれる芸術が注目され、日本作家による大規模な海外巡回展も開催された。施設を回る中で見えたのは、評価される絵を描けるのは一握りだということ。特別な才能がなくても毎日を一生懸命生きる大多数の「普通の障害者」の仕事になるような活動がしたい。そう思っていた時、ポリフを運営する社会福祉法人と出会い、商品開発を任された。

 「平成はインターネットが発達し、情報が瞬時に手に入る時代」と話す。商品デザインや販路拡大の仕事は、自宅でパソコンを開けばできる。でもあえて、現場に足を運びたいと思う。「その日の天気次第で気分が上がったり下がったりする人たちに会ったり、彼らが生み出す作品の熱量を感じたりすることは、現場にいないとできないから」

 大学時代、友人と「子供や孫たちに、『自分たちが作った社会って悪くないよ』と言えるようになりたいね」と語り合った。仲間は今、デザイナーや靴職人としてそれぞれの分野で活躍している。「だから私も、福祉の現場で精いっぱい頑張りたい」【塩田彩】


 やぶうち・みやこ 1988年、徳島県生まれ。京都造形芸術大大学院修了。大学院生時代から、障害者による服飾雑貨ブランド「poRiff」の活動に関わり、2012年より代表を務める。

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