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AI進化

深層学習でどこまで賢く 人類を超える日は来るか

AIを飛躍させた深層学習(ディープラーニング)の学習イメージ

 人間のように考える賢いパートナーがいたら--。人はそんな夢をかなえようと、AIの開発に力を注いできました。近年、画期的な技術の登場で進化を遂げ、日常で利用される場面が急速に広がっています。この先、どこまで賢くなるのでしょう。AIがいつか人類を超える日は来るのでしょうか?【科学環境部・阿部周一】

AIって何なの?

 1956年に米国で、人工知能(Artificial Intelligence)という言葉が登場したころから、現在までに計3回の「AIブーム」が起きました。1回目は50年代後半~60年代です。「AならばB」「BならばC」といった推論(すいろん)や探索(たんさく)をコンピューターができるようになり、特定の問題に答えられるようになったため期待が膨(ふく)らみました。

 しかし、複数の要因が絡(から)み合う現実社会の課題に答えられず「冬の時代」を迎えました。2回目の流行は80年代です。大量の専門知識をコンピューターに蓄え、その知識をもとにAIが専門家のように振る舞う「エキスパートシステム」が脚光(きゃっこう)を浴びました。

 さらに、この数年の間に画期的(かっきてき)な技術が登場し、ビジネスや医療などでの応用が急速に広がり始めたことで関心が高まり、現在は3回目のブームを迎えています。「人工知能」という単語を含んだ新聞記事の数や内容の推移を、青山学院女子短大の河島茂生准教授(情報学)が調べた結果、大手全国紙の記事は80年代後半に一時増え、90~2000年代はほとんどなくなりましたが、13年から増え始め急激に伸びているそうです。

画期的な技術って?

 機械が自分で学習する「深層学習(しんそうがくしゅう)」(ディープラーニング)という技術です。06年に、カナダ・トロント大のジェフリー・ヒントン名誉教授がこの手法を発表しました。コンピューターを動かすプログラムの中に、質問に当たる画像や音声データをインプットする「入力層」と、答えに当たる認識結果や予測結果を表示する「出力層」を設定します。その間に何層もの「中間層」を置き、人間の脳神経のようなネットワークを構築するのが特徴です。例えば「猫の写真」をAIに見せると各中間層が「耳は三角」「口元にヒゲ」などの特徴を自動検出し、出力層が「猫だ」と答えるというわけです。

 質問と正解をセットで教えると、ネットワーク内部で「正解の確率が高くなる特徴の見つけ方」を学習します。そのセットが多いほど、うまく学習し、答えの精度が上がります。例えば、世界トップ級棋士(きし)を破った囲碁(いご)AI「アルファ碁」は、人間が打った3000万通りの対局画像を読み込み、どんな手が有利かを学習しました。人間では一生かかってもこなせない数の自己対局を何度も繰り返し、短期間でどんどん強くなったのです。

どこまで進化するの?

 「強いAI」と「弱いAI」という言葉があります。「強いAI」とは人間のような自意識を備えたAIのことです。鉄腕アトムなどアニメやSF映画のロボットを思い起こすと分かりやすいでしょう。「機械」や「道具」という立場を超え、あと30年弱で人類の全知能を超えるAIが出現すると予測する人もいます。

 一方、「弱いAI」は限られた知的作業しかできないAIのことで、アルファ碁をはじめ、現在のAIはすべて「弱いAI」です。東京大合格を目指したAI「東ロボくん」は16年に東大合格を一時断念しました。計算問題は得意でも、問題文の意味を理解できなかったからです。

 AIを搭載したロボットが自己改良を重ねて生産活動などを担うようになった結果、人間は働かなくても富を得られるという楽観論がある一方、制御を失って暴走するという脅威論もあります。「スカイネット」という未来の人工知能が、殺人ロボットを現代に送り込む米国の映画「ターミネーター」が思い出されますが、「現時点では『強いAI』への道筋は描けていない」というのが大方の研究者の意見です。

AI開発にまつわる歴史
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