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社説

豊洲市場移転と小池都政 それで築地はどうなった

 東京都政は今年も「豊洲」「築地」に揺れた1年だった。

     築地市場から豊洲市場への具体的な移転・開業日が来年10月11日に決まった。都と市場関係者の合意がようやくまとまり、当初の予定から約2年遅れての移転となる。

     小池百合子知事が移転延期を決めたのは昨年8月末だ。その後、盛り土が一部ないことが判明し、施設内の地下水から環境基準の100倍を超える有害物質も検出された。

     確かに、延期したことで政策決定のずさんさが浮き彫りになった。安全対策を講じたのは当然だ。

     だが、東京都議選を前にした6月、豊洲市場と築地市場の両立方針を示してから、迷走が始まった。

     小池氏は「築地は守る、豊洲を生かす」と述べ、築地市場の跡地を「食のテーマパーク」とする再開発構想を打ち出した。しかし、その具体的なビジョンはいまだに示されていないままである。

     豊洲市場と築地市場のすみ分けがはっきりしないことは、豊洲市場の集客施設構想にも不安を与えている。施設の運営を予定する業者は「競合する」と反発し、撤退も検討しているという。

     これでは都政をあずかる責任ある姿勢とはいえないだろう。

     市場の安全を確保し、風評被害が出ぬよう努めるとともに、早急に築地再開発のグランドデザインを示すべきだ。

     豊洲市場の採算を危ぶむ声は根強い。年間の管理費も約77億円かかるとされ、赤字運営が見込まれる。

     卸売市場の水産物取引量は減少している。築地など都中央卸売市場の取引額は、1990年のピーク時に比べ2016年は約4500億円と半減している。消費者の魚離れや産地との直接取引の広がりが要因だ。

     取引量を増やし、経営合理化などで赤字を減らす工夫も必要だ。

     小池氏は「希望の党」を結成し、代表として10月の衆院選に臨んだ。だが「排除発言」などから失速し大敗すると代表を辞任した。国政と都政の間で揺れ動いた年だった。

     衆院選後、小池氏は「都政に専念する」と宣言した。豊洲移転問題への一連の対応が、知事のパフォーマンスだったといわれぬためにも責任ある対応が求められる。

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