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プロに聞く受験2018

数学編 「自分の中の落とし穴にはまらないことが重要」

受験生を励ます森茂樹講師=東京都内で2017年12月26日、浜名晋一撮影

 2018年度の大学入試センター試験まであとわずか。駿台予備学校で受験生を指導するプロの講師5人に受験本番直前の勉強法や心構えを聞いた。月刊誌「大学への数学」にも執筆する数学の森茂樹講師は「自分の中の落とし穴にはまらないことが重要」とアドバイスした。【聞き手・浜名晋一】

できるだけ過去問を

 --センター試験直前です。この時期、効果的な勉強法はありますか。

 数学の場合、覚えたものを全部書けば点数になるわけではなく、何回かは練習しないといけません。公式でも使い方を練習しないといけないわけで、練習する時間をどう割くかというのが重要です。あまり練習しなくてもいいものもありますから、そういうものは後回しで、習得に時間がかかるものから始める方がいいかなと思います。

 現在の学習指導要領だと、データの分析が一番覚えただけで何とかなる分野です。計算は必要ですが、算数的な計算で済みますので。公式の適用上の注意もあまりないし、図形の問題みたいに図を見て、公式に当てはめるということもありません。与えられた数値を公式に代入していけばいい。これは短時間で習得できます。

 それに対して、微積分や数列、ベクトルは習得に時間がかかります。センター試験も数学2Bは複雑になっていまして、2次試験に出ても不思議ではないようなテーマや問題が出ます。もちろん誘導はついていますので、解きやすいですが、そういった問題は公式を覚えるだけではだめで、公式や定義の使い方を練習しないといけない。そういうことを先にやらないと、結局、覚えたはいいけど、使えなくなってしまいます。

 --覚えた公式は使わないといけないということですね。

 出る分野は決まっています。題材も大きく変わらないので、過去問をできるだけ多くやることです。出題の形を変えられた時にも使えるというのが真の実力です。試験である以上、そこを測っているわけですよね。過去問をやることで使い方のバリエーションを自分なりに習得することが重要だと思います。量をこなすのは時間的に厳しいかもしれませんが、反復しないことには定着しませんので。

 --「数学が苦手」ということを解消する手立てはないものでしょうか。

 理系の頭というのは、常に「なぜ」ということを考えることです。計算するとこうなるということを、実際に自分で手を動かして計算してみる。こういう定理があるという時に、証明はどうするのか、教科書には載っていないが、調べてみようというようなことを考えるのが理系の頭なんです。

 文系の頭の人は哲学的なことはすごく考えるのに、理系の問題だと、そのまま覚えてしまえという感じになっています。そうではなくて、理系的な内容でも日ごろから「なぜ」と考えるのが、理系の科目に強くなる秘訣(ひけつ)かなと思います。

 --重点的に勉強した方がいいという分野はありますか。

 センター試験の目標をどこに置くかによって随分違います。満点を取らないといけないような難関校志望の生徒もいれば、平均点があればいいという生徒もいますし、それによって違うと思います。センター試験の場合、平均点そのものが高いので、おろそかにできる分野はありません。だから、過去問をやった時に自分と相性のよかった分野は本番で絶対確実に解くという構えがいいと思います。

 失点を抑えるということですね。数学が苦手だとすると、最低でもこれだけという感じでやるしかないと思います。逆に数学が得意な生徒にとって、センター試験で満点を取るためには、一つの問題にはまらないことが必要です。

1番から順番に解いていくのはだめ

 --2次(個別)試験ではおのずと対処の仕方も変わってきますね。

 2次(個別)試験の場合は、半分取ればいいという大学が多いんです。センター試験と違って満点近く取る必要はありません。だから、センター試験は問題を捨てられませんが、2次(個別)試験は取捨選択が重要になってくることが多いですね。難しい問題は誰も解けないのだから、こだわることはなくて、みんなが解ける問題を取りこぼさないことです。だからこそ、やさしい問題を探していくことが重要です。

 模試でもそうですが、受験生はどうしても、1番から順番に解いていきます。それではだめだといつも言うのですが。模試でも例えば5題あって、5番目に一番やさしい問題が出ているのに、出来があまりよくない。ある程度、方針が決まった時に、このまま最後まで解答できるかということが見極められず、着手できるけど、やってみると実は膨大な計算が必要だったり、論理的に難しくて、最後まで答え終えるのが難しい問題にはまってしまい、時間をロスしているわけです。そういうことも含めて、問題の取捨選択はすごく大切です。だから受験する大学の過去問をやることが重要になってきますね。

 --受験生にアドバイスをお願いします。

 とにかく、自分の中の落とし穴にはまらないことが重要だと思います。得意だと思って過信してしまうとか、苦手だと思って弱気になりすぎるのが、一番よくないことだと思います。「全然やり足らない」という不安ばかり抱えて、試験に臨むのはマイナスですし、肩に力を入れて、「得意科目だからこの教科で点数を取らなきゃ」というのもよくありません。

 センター試験は空欄に入る桁数が決まっています。例えば3桁が正解のところに間違えて4桁の答えを出してしまうと、パニックになってしまいます。落ち着いて、次の問題にいこうということができればいいですが、往々にして、合わないから計算ミスを直そうとします。人間というものは短時間に同じ計算をすると、間違いなく同じ計算ミスをします。それで、なかなか合わない。上のクラスでは、そのためになるべく複数の計算方法を知っておいた方がいいと教えています。

 一つの手で合わなかったら、違う式で計算してみたらどうかということですね。引き出しを増やしていくと便利です。時間が余って検算する場合は、同じ方法でするんじゃなくて、違う方法で検算した方がいいということも言いますね。

 受験生には今までやってきたことに自信を持ってほしいです。ただ、あまり肩に力を入れすぎないように。最後の最後は体調が全てです。体調を崩したら仕方がないですからね。無理をせずに体調を整えるのが一番だと思います。

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