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社説

安倍首相が年頭会見 「宿題」に取り組む一年に

 安倍晋三首相は年頭の記者会見で、今年の通常国会を「働き方改革国会」と位置づけた。同時に、憲法改正への意欲を改めて示した。

     首相は昨秋の衆院選で少子高齢化を「国難」と呼んだはずだ。その対策はどうなったのか。

     そもそも少子高齢化の深刻さは、首相が2012年末に政権を奪還した時点で既に明らかだった。しかし、この5年間、「地方創生」「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」など看板政策を掛け替えるばかりで、本質的な少子高齢化対策に取り組んできたとは言い難い。

     年頭会見で首相の述べた「多様な働き方を可能とすることで、1億総活躍社会を実現する」という政策目標は理解できる。社会問題化している人手不足を労働意欲のある高齢者や女性の雇用によって補い、併せて子育て支援策を拡充することは有効な処方箋の一つだろう。

     一方で首相は、国内総生産(GDP)の拡大などをアベノミクスの成果として強調した。だが、借金を重ねて取り繕ってきた社会保障制度も国家財政も持続可能とは言えない。東京一極集中に歯止めを掛ける地方創生策も打ち出せてはいない。国民の将来不安を解消しなければ、真の経済成長には結びつかない。

     安倍政権の5年間を振り返ると、13、16年は参院選、14、17年は衆院選、15年は統一地方選と毎年、選挙が続き、首相は消費税率10%への引き上げを2度も先送りした。

     首相が今年再び衆院解散・総選挙を考えなければ、安倍政権になって初めて大きな選挙のない一年となる。国民負担のあり方を含め、少子高齢化対策という「宿題」に腰を落ち着けて取り組む好機ではないか。

     だが、首相は「今年こそ、新しい時代への希望を生み出すような憲法の在るべき姿を国民にしっかりと提示し、憲法改正に向けた国民的な議論を一層深めていく」と語った。

     来年は統一地方選、参院選に天皇陛下の退位もあり、重要な政治日程が集中する。首相としては「自衛隊明記」などの憲法改正へ向け、今年9月の自民党総裁選で3選を果たし、その勢いで年内の国会発議に持ち込みたいと考えているようだ。

     重い宿題を抱えながら、丁寧な憲法論議が進められるのだろうか。

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