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余録

「長頸烏喙」は首が長く…

 「長頸烏喙(ちょうけいうかい)」は首が長く、カラスのような口をした人相という。中国の春秋戦国時代、呉越の争いを繰り広げた越王勾践(こうせん)の容貌をその功臣の范蠡(はんれい)がそう評し、「この人とは楽しみを共にできない」とそしった▲その范蠡は「狡兎(こうと)死して走狗烹(そうくに)らる」の言葉でも知られる。賢いウサギが死ぬと猟犬が煮て食われるように、大業が成れば功臣も用済みとなって殺されるという意味である。彼は宿敵の呉王が滅びると、すぐ勾践の前から逃げ去った▲古今東西を問わず創業の王とその功臣は危うい関係にある。人の容貌をあげつらうのは当世ご法度(はっと)だが、こちらの元功臣は仕えた王の髪形の秘密まで暴露している。怒った王は「彼は解任されて、職と共に正気も失った」と反撃した▲王とはトランプ米大統領、元功臣は大統領選の選対最高責任者、政権で首席戦略官を務めたバノン氏である。その氏に取材した暴露本で、当人は選挙運動中の大統領親族のロシア側との接触を「反逆的、非愛国的」だと非難している▲予想外の大統領選の勝利に戸惑うトランプ氏の姿や、側近への悪口雑言(あっこうぞうごん)、娘のイバンカ氏の大統領への野心なども明かしたこの本である。なかにはトランプ氏がよくマクドナルドで食事をしたのは毒殺を恐れたからだという話もある▲「まがい物」。大統領は本の内容をそう否定した。だが後に商人になった范蠡と違い、バノン氏には今も極右支持層への影響力がある。この秋の中間選挙も微妙に左右しそうなワシントンの春秋戦国である。

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