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余録

旧跡「白河の関」で知られる福島県白河市は…

 旧跡「白河(しらかわ)の関」で知られる福島県白河市は、東北の玄関口ともいわれる。春夏の高校野球で東北の学校が悲願とする全国初制覇は、優勝旗の「白河越え」と呼ばれている▲その白河市と、山口県萩(はぎ)市の間で交流の機運が高まっている。結び役は、山口県の各地にある「白河踊り」と呼ばれる盆踊りだ。その名の通り、東北・白河の盆踊りが遠く離れた山口に伝わったものである▲1868年、明治維新の戊辰(ぼしん)戦争で、長州(ちょうしゅう)藩などの新政府軍は幕府派の東北諸藩軍と白河で激しく戦った。「白河口の戦い」と呼ばれるこの戦いで、約1000人もの兵士が亡くなったとされる▲その当時、白河に滞在した長州兵が現地で盆踊りを覚え、山口に帰って広げたらしい。萩在住の建設業、中原正男(なかはら・まさお)さん(67)が10年がかりで山口県内の踊りを調べ、研究結果をこのほど一冊の書「白河踊り」(書肆侃侃房(しょしかんかんぼう))にまとめた。中原さんによると、出だしの音程などが白河のものと共通している踊りが県内82地区で残っているという▲踊りに関心を持つ白河市の鈴木和夫市長が萩市を訪ねて、交流事業を提案した。7月に白河で開く両軍戦死者の合同慰霊祭に萩市の関係者が参加するほか、両市小中学生の相互訪問なども検討している▲明治維新から150年にあたる今年は、さまざまな記念行事が予定されている。それは、戊辰戦争の犠牲から150年の節目でもある。郷土の踊りを通じて、かつて敵対した地方が親交を深め合う。歴史が紡ぐ交流の糸である。

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