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イラン

デモ収束へ 週末、大規模衝突なく

イラン西部ロレスタン州

 【カイロ篠田航一】イランで全土に拡大した反政府デモは、イランの週末に当たる木曜、金曜の4、5日とも目立った衝突はなく、沈静化の兆しを見せている。ロウハニ大統領は3日に「混乱はあと数日で終わる」との見通しを述べており、多くの市民が街頭に出る週末に大規模デモが起きなかったことで、指導部は事態収拾に自信を深めている模様だ。

 最高指導者ハメネイ師を支える精鋭部隊・革命防衛隊のジャファリ司令官は3日、デモが活発だった西部ロレスタン州などに部隊を配置したことを明らかにし、「反乱は終わりだ。多くの暴動の首謀者を逮捕した」と述べた。

 ロイター通信によると、西部ホラマバードで3日夜、デモ隊が治安部隊に投石したほか、北西部ウルミエでも数百人が街頭に出て反政府スローガンを唱えた。だが大規模な衝突は4日以降伝えられていない。一方の政権側は3~6日に各地で数千人を動員する集会を各地で開き、「デモ隊に厳罰を」「デモを扇動する米国に死を」などと訴えた。

 イランには強硬派から穏健派、改革派など幅広い勢力が存在するが、1979年の革命で成立した「政教一致」のイスラム体制を堅持する点では一致している。だが今回は一部のデモ隊が体制転覆を公然と唱えたことから、2009年に大規模な反政府運動を組織した改革派勢力でさえデモを支持しなかった。AFP通信によると、改革派重鎮のハタミ元大統領も「確かに生活は苦しく、国民には平和的なデモをする権利がある。だが今回のデモは扇動者が問題を作り出しているだけだ」とデモ隊を批判した。

 一方で政権側の「危機感」を指摘する声もある。イランに詳しいエジプトの政治評論家モハメド・アブヌール氏は「革命防衛隊が地方に部隊を配置したのは、地方警察だけでは対処できないと判断した可能性もある。それだけ指導部の危機感は強い」と述べ、デモは「小規模ながら長期化する可能性もある」との見方を示す。

 イラン敵視策を強めるトランプ米大統領はツイッターに「抑圧的な体制が永続することはない」「イラン国民は変革を望んでいる」などと連日デモ隊寄りの投稿を繰り返している。だがこうした言動がかえってイラン国内の反米強硬派を結束させ、「混乱は米国による謀略」と説明しやすい状況を作り上げている側面もあるようだ。

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