メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「これからの日本に希望が持てますか?…

 「これからの日本に希望が持てますか?」「はい、希望を感じます」。1988年生まれの矢島里佳さんは学生時代に「失われた20年の世代が社会に出る」という新聞の特集で取材され、そう答えた▲バブルが崩壊した90年代から2000年代初頭までが「失われた10年」。その後の10年も景気回復が実感できないため「失われた20年」と呼ばれる。非正規雇用の人が多く、非婚率が高いのがこの世代だ▲矢島さんは大学在学中に株式会社「和(あ)える」を設立した。「日本の伝統を21世紀の子どもたちに伝えたい」。各地の伝統工芸の職人たちと連携して、子どもたち向けの食器やおもちゃを開発する▲徳島の本藍染の出産祝い、石川の山中漆器のこぼしにくい器、江戸更紗(さらさ)のお出かけ前掛け、石川の漆塗りのお食い初めセット……東京と京都の直営店やオンラインショップで人気の商品だ▲「和える」と「混ぜる」は違う。それぞれが持つ本来の魅力は、混ぜると別のモノになる。それぞれの本質を大切にしながら、両者が出合うことでより魅力的になるのが「和える」。日本の伝統工芸への関心は海外でも高い。和えることの魅力はここでも広がりそうだ▲「失われた20年で本当に失われたのは心。先人が日本を豊かにしてくれたからこそ、私たちの世代は安心して心の豊かさについて考えられる」。著書「やりがいから考える自分らしい働き方」で矢島さんは強調する。どんな時代でも、自分や社会を信じる人の心には希望がともるのだ。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 女の気持ち 定年を前に 埼玉県日高市・井上しず江(大学職員・64歳)
    2. ご当地グルメ 鹿児島・あご肉 癖になる独特の食感
    3. 風知草 圧勝ですが、何か?=山田孝男
    4. 会津藩公行列 「ありがとなし…」綾瀬はるかさん手を振り
    5. Dr.北村が語る現代思春期 危険な「セクスティング」 削除できない性的画像

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです