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余録

夏目漱石の小説「吾輩は猫である」のモデルで…

 夏目漱石の小説「吾輩(わがはい)は猫である」のモデルで漱石が飼っていた猫が死んだのは110年前の秋のこと。門下生に「死亡通知」を出した。黒枠で縁取られたはがきに「御会葬」には及ばないと記している▲猫は漱石の自宅に迷い込み、飼い猫になる。出世作となった作品の主役だ。「名前はまだない」ままだったが文豪は悲しみ、死亡通知を出したのだろう。ペットが家族同然の人ならその気持ちは分かるはずだ▲こちらは猫ではなく、今年のえとの戌(いぬ)にちなむ犬だ。名前もある。「aibo(アイボ)」。ソニーが11日に発売する家庭用犬型ロボットだ。2006年に生産が終了した初代AIBOの後継機。人工知能(AI)の進化に伴い、飼い主とのふれ合いから学習を重ねて「成長」していくという▲飼い主はかわいくて仕方ないだろう。AIを搭載したロボットは高齢者施設でも活躍している。お年寄りがロボットとの会話を楽しみ、心の健康を保つ。そんな役割を担うまでになった▲心配もある。AIのロボット兵器が開発されるおそれがあるからだ。ロボットが進化するほど人間に近づく。未来を切り開くのか、あるいは暗くするのか。両方の可能性がある▲猫でも犬でもなく山嵐。漱石の「坊っちゃん」に出てくる数学教師のあだ名だ。ヤマアラシのジレンマという言葉がある。近づき過ぎると、お互いのトゲで傷ついてしまう。仲良く共存するには適度の距離が必要だ。ロボットとの間合いの取り方も本気で考える時が来るだろう。

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