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社説

国会議員が税務調査に関与 「同席しただけ」は通らぬ

 国会議員や秘書が、行政に対し不当な働きかけをする体質がまだはびこっていると考えざるを得ない。

 自民党の鳩山二郎衆院議員の秘書が、国税庁幹部を議員会館に呼んで、個別の税務調査の内容について説明を求めていた。その際、鳩山氏本人も同席していた。

 秘書が取り上げたのは、自ら顧問を務める宝石販売会社の関連会社の税務調査だ。この会社は、架空取引による不正申告の疑いがもたれていた。私的な利害に基づく不当な呼び出しだ。政治家の力を利用した圧力に等しい。

 秘書は報道を受けて辞任した。解せないのは、鳩山氏の説明だ。鳩山氏は、秘書が宝石販売会社の顧問だったことを知らなかったと弁明し、一般的な説明の場に同席しただけで圧力はかけていないと述べた。

 だが、政治家である鳩山氏が、その場にいたこと自体が問題だ。

 国会議員は国民の代表であり、公益のために働くのが仕事だ。陳情の処理などはその範囲だとしても、私益のために動くことはおかしい。

 課税に不服があれば、国税不服審判手続きなどで解決を図るのが法律に定められたルールだ。そこを踏み外せば税制への国民の信頼を損ないかねない。その認識を鳩山氏は欠いている。

 税務調査への国会議員らの介入は最近、他にも明らかになった。

 自民党の園田博之衆院議員は、資金提供を受けたNPO法人の依頼を受け、国税庁の次長に電話をかけて「法人への調査は間違いだ」などと指摘し再調査を求めていた。

 閣僚の辞任にまで追い込まれた甘利明元経済再生担当相の口利きと現金授受問題の発覚から約2年しかたっていない。

 国会議員の立場を利用し、行政に無理を通させようとする点は今回の税務調査への介入も共通している。

 甘利氏の事件では、議員本人と都市再生機構側に執拗(しつよう)に働きかけをした秘書2人は最終的に不起訴になった。だが、口利きや介入は、刑事責任を問われかねない行為だ。

 安倍内閣では1強の下で政治家の力が強く、官僚がそんたくする傾向が指摘されている。国民の誤解を生むことがあってはならない。行政側の対応も問われている。

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