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社説

普天間移設と名護市長選 争点を語らない不誠実さ

 米軍普天間飛行場の移設先である沖縄県名護市の市長選が、来月4日に迫ってきた。

     市長選の結果は、年末に実施される沖縄県知事選に大きな影響を与えるとみられている。

     選挙は、移設反対派の現職に元自民系市議が挑む見通しだが、両陣営ともすでに総力戦の様相だ。

     移設反対の翁長雄志知事は現職の政策発表に同席し、移設推進の政府・自民党からは菅義偉官房長官や二階俊博幹事長が相次いで訪沖した。

     移設問題をめぐる沖縄県と政府の対立がそのまま投影された構図だ。

     日米両政府の返還合意から20年以上が経過する普天間問題の行方を左右する選挙になるのは間違いない。

     にもかかわらず、元自民系市議が選挙公約として「辺野古移設」の是非に言及せず争点化を避けている。

     元市議はもともと移設容認だった。だが、出馬にあたっては「(沖縄県の国に対する)訴訟を注視する」と述べ、教育支援などを訴えた。

     生活に密着した課題はもちろん重要だ。しかし、最大の焦点に目を向けず明確な態度を示さないのは不可解だ。現職は反対を明言している。

     前回の選挙では移設に反対する公明党県本部が自主投票を決め、反対派の現職に票が流れたといわれる。

     党県本部は移設反対を維持しているが、元市議との政策協定では「辺野古」に触れないことで妥協を図り、今回は推薦に回ったという。

     一方で、同県本部が主張する在沖縄海兵隊の県外・国外移転を政策協定に盛り込んでいる。

     そうであれば、県内の辺野古移設には反対のはずだ。元市議が持論と異なる矛盾を封印するために争点を語ろうとしないなら、有権者に対して不誠実と言わざるを得ない。

     沖縄では昨年、米軍の大型ヘリコプターが不時着し炎上したり、小学校の校庭に米軍ヘリの窓が落下したりする事故が相次いだ。

     年始には米軍ヘリの不時着が連続して起きた。いずれも大事故につながってもおかしくなかった。

     これらは普天間に配備されているヘリだ。その軍事的機能を受け入れるかどうかについて見解を述べるのは、候補予定者として当然だろう。

     今からでも遅くない。辺野古移設の是非を明確にして戦うべきだ。

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