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再思三省

第58回 愚直って褒め言葉?

「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

    謙遜ならまだしも

     愚直な人物→実直な人物

    「あまりに正直すぎて気が利かない、知恵がない、臨機応変の才がない」というのが、国語辞典にみる「愚直」のニュアンスです。辛口の批評や本人の謙遜などであえて使うならいいのですが、愚かという字の意味は付いて回ります。誠実で正直いちずな姿勢を美点として伝えるには「実直」「地道」「真っすぐ」「真っ正直」など別の表現を選ぶほうがいいでしょう。

    「いや」の意味が違う

     いやが応でも(盛り上がる)→いやが上にも

     似たような言葉に見えますが、元の漢字が意味の違いにつながっています。「いや(=否)が応でも」は「承知でも不承知でも」「無理にでも」ということ。「いや(=弥)が上にも」は「その上ますます」「なおいっそう」の意で、こちらは「いや増しに」「いやさかを祈る」などと共通の「いや」です。なお、否も弥も常用漢字表に「いや」の読み方がないので仮名書きしています。

    もっともらしい誤変換

     変速交差点→変則交差点

    誤字が文脈と妙になじんでしまうことがあります。例えば「内蔵の病気」(→内臓)なんて見逃すはずがないと思っても、医療機器の話に紛れると案外侮れません。また「急増チームで出場」(→急造)に気付くのはたやすくても、参加チーム数に触れた後のくだりでは難度が上がります。交差点とスピードも違和感を持ちにくい組み合わせ。突っ走らず、よく見て紙面の事故を防がねばなりません。

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