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社説

阪神大震災の教訓 支援受ける力を備えよう

 大災害が発生すれば多くの自治体職員が被災し、行政機能は十分働かない。きょう発生から23年たつ阪神大震災の教訓の一つだ。

     ピーク時に約32万人が避難する大規模災害だった。避難所の運営や罹災(りさい)証明書の発行、住宅の被害調査など行政が担う仕事が増大したにもかかわらず職員自身も被災し、業務に大きな支障が出た。

     職員不足を補ったのが全国の自治体からの人的支援で、発生から約2カ月で延べ約20万人が派遣された。それ以降、都道府県や市町村が相互応援協定を結ぶ動きが広がった。

     しかし応援をもらうだけで復旧復興が順調に進むわけではない。いざという時のために、応援を有効に活用する態勢づくりが重要である。これを「受援力」と呼ぶ。

     受援が注目されるようになったのは、応援受け入れを巡って混乱する被災自治体が相次いだからだ。

     2年前の熊本地震では、被災地の要請を待たず救援物資を送る「プッシュ型支援」が行われたが、避難所に届く前の集積地で物資が滞る事態が起きた。

     東日本大震災でも全国から延べ約9万人の職員が派遣されたが、効率的に仕事を割り振れなかった被災自治体が多かった。

     総務省消防庁の昨年の調査では、応援職員の業務内容をあらかじめ定めた都道府県と市町村は1割に満たない。現場の混乱を防ぐため自治体は受援の態勢を整える必要がある。

     政府は防災基本計画で受援計画の策定を自治体の努力規定にするが、「災害規模ごとに応援人数や業務分担が異なり事前の計画は難しい」といった理由から自治体の腰は重い。

     政府が昨年3月に作成した受援計画策定のガイドラインでは、人的・物的支援を受ける時の課題を列挙し「専任の受援担当者を置くこと」などと助言している。

     全国で初めて災害受援計画をつくったのは神戸市だ。阪神で支援を受け、東日本で応援した経験を基に5年前に作成した。避難所での食料配布やボランティア受け入れなど、災害時に支援を受ける必要があると思われる130の業務内容を定めた。

     災害はいつ起きるか分からない。全ての自治体が受援の重要性を認識し取り組みを急ぐべきだろう。

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