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余録

「史上最高齢の大統領が危機に対処できるか…

 「史上最高齢の大統領が危機に対処できるか」。73歳で再選をめざしたレーガン米大統領は年下の対立候補の攻撃に答えた。「私はこの選挙で年齢を問題にしません。相手の経験不足や若さを政治利用しません」▲当意即妙(とういそくみょう)のユーモアで国民を魅了したレーガン氏だったが、在任中は心臓近くに銃弾を受け、大腸がんや前立腺肥大、鼻の皮膚がんの手術を受けるなど健康面の綱渡りが続いた。その2期目には物忘れや会議の居眠りも取りざたされた▲大統領退任の5年後にはアルツハイマー病を公表したレーガン氏だったが、では在職中はどうだったのか。後に関係者は、生活に支障のない軽度認知障害だったことを認めている(小長谷正明(こながや・まさあき)著「医学探偵の歴史事件簿」岩波新書)▲こちらは就任1年目で71歳のトランプ大統領の健診結果である。記者会見した医師は大統領が非常に健康な状態にあり「任期満了まで維持できる」と説明した。うち認知機能のテストは満点で、「認知面の懸念は一切ない」とされた▲この健診結果公表、大統領のろれつが回らぬ場面が注目され、専門家から精神状態の不安定さに懸念が噴き出すなか行われた。その懸念に対し当人は自分を「極めて情緒の安定した天才」と呼んで反論していた。かえって心配になる▲何しろ核のボタンを手にする大統領だ。ことレーガン氏の軽度認知障害はかえって冷戦終結の偉業に寄与したとの見方もあるようだ。そんな皮肉な幸運を期待するわけにはいかぬ現代世界の運命である。

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