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余録

古いことわざに「寒垢離屋が商売は冷たい」という…

 古いことわざに「寒垢離屋(かんごりや)が商売は冷たい」というのがある。寒垢離は寒中に水をかぶって神仏に祈る修行だが、昔はお金をもらって代行する人がいたらしい。何であれ商売は厳しいという教えのようである▲あすは「大寒」。今月5日の小寒から来月3日の節分までの寒の内の半ばだが、これからが1年で最も寒さの厳しい時季とされる。なるほどここ数日は比較的暖かな日が続いたが、あすから来週にかけてまた寒波がやってくるそうだ▲寒垢離もそうだが、この寒の内の修行の効験あらたかなることを信じた昔の人だった。同じく神仏に詣でる「寒参り」、武術などの鍛錬をめざした「寒稽古(かんげいこ)」も、寒中の試練が厳しいほど豊かな実りがもたらされると考えたのである▲では「寒復習」とは何か。今なら寒波の中のセンター試験で始まった受験シーズンを思い浮かべる。実は「かんざらい」と読み、長唄や三味線の稽古をいう。こちらも寒中に声をからし、指を凍えさせての練習が上達の常道とされた▲どうも昔の人は、この寒の内にこれから1年の吉凶が仕込まれていくと考えたらしい。東北の農村には寒中の天気で1年間の気候を予測する「寒だめし」という占いがあった。「寒中に大雪あれば豊作」などといった言い伝えも多い▲「半分は泣いてゐる声寒復習 浅野白山」。今まさに寒復習に打ち込む受験生には春の飛躍へ向けた最後の仕込みの時となろう。どうか新しい季節のサイクルを勢いよく始動させてほしい寒中の試練である。

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