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余録

漢字クイズで何度か見た「零余子」…

 漢字クイズで何度か見た「零余子」、さて何と読んだか。正解は「むかご」、山芋の葉のつけ根にできる丸い肉芽だ。いわば山芋の赤ちゃんで、ゆでるもよし、炒めるもよし、零余子飯もまたいい秋の味覚である▲古川柳に「むかごから蒲焼(かばやき)までの憂苦労(うきくろう)」というのがある。昔は山芋が変じてウナギになるという俗説があった。料理屋で出てきた蒲焼きを見て、むかごが山芋になってこうなるまでにはさぞや苦労があったのだろうなというわけだ▲むかごはやがて新たな山芋になるが、このような種子によらぬ繁殖を栄養繁殖という。山芋がウナギになったり、ウナギの体の一部が別のウナギになったりしたら、どんなにいいだろう--ウナギ好きならそんな夢を見そうな昨今だ▲むろん先日から話題になっているニホンウナギの稚魚シラスウナギの空前の不漁のせいである。養殖で育てる稚魚を取るこの季節の漁で、各地から伝わってくる漁獲量は前年同期比で1%とか、2%とかいう数字だから話にならない▲春の漁期も不漁が続けば、ことは蒲焼きの値上がりだけですむまい。すでに絶滅危惧種となっているニホンウナギである。国際取引の規制を心配するよりも何よりも、絶滅の回避へ実効ある資源保護の手立てが待ったなしで迫られる▲ウナギ好きにはなんともつらい話だが、それも近年の稚魚の急減に手をこまねいていた結果ともいえる。おいしい蒲焼きがそうなるまでの「憂苦労」に、もう少し早くから思いをめぐらすべきであった。

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