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社説

機密費開示で最高裁判決 政府の従来姿勢は通らぬ

 政権が無条件で使えるとされる内閣官房報償費(官房機密費)の支出に関する文書開示をめぐって、最高裁が初めての判断を示した。

     支払先や金額が明記されていない文書で、相手方や使途の特定に結びつかないものについては、開示すべきだと結論づけた。毎月の機密費の支出額や残額を記載する「出納管理簿」などがこれに当たる。

     官房機密費について、政府は国の施策を円滑に進めるための経費と位置づける。2017年度予算で、年間約12億3000万円に上る。

     国は裁判で、政策課題を解決するための情報収集や、協力を依頼する経費であり、使い道を明らかにできないと説明してきた。

     使い道はともかくとして、民主党政権時代に、官房機密費の月額が公表されたことがある。

     最高裁の論理に従えば、支出先が特定できない範囲で最大限の情報公開が原則になる。まずは月ごとの支出額について、政府は公開のルール作りを進めるべきだ。

     危機管理など国内外の重要課題に当たるため、出費の全てをつまびらかにできないことは分かる。

     最高裁も、支払先や金額が具体的に記された支払決定書などについては、「不開示が相当」との高裁判断を支持し、既に確定している。

     そもそも、官房機密費が本来の目的で使われているのならば問題はない。だが、小渕恵三内閣で官房長官を務めた野中広務氏は10年、「自民党国対委員長に国会対策として月500万円、首相の部屋に1000万円、参院幹事長室にも定期的に配った」などと証言した。

     過去には、選挙対策に使われたのではないかとの疑念がもたれたこともある。

     政権維持のカネとして都合よく使われてきたのではないか。そうした目的外使用が今も続いていないとの保証はない。

     民主党の野田政権当時、藤村修官房長官が、支払い相手名を伏せて、支払決定日や金額のみを一定期間がたってから公開するとの私案をまとめたことがある。自民党が政権に復帰してそれが棚上げされている。

     政府の従来姿勢は通らない。もう一度、官房機密費の公開のあり方について議論すべきだろう。

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