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車で社会復帰

訪問リハビリで運転再開

実車評価に取り組む男性(右端)。作業療法士の永島匡さん(中央)と教習所の山田浩・教習部統括課長が見守る=神奈川県座間市の都南自動車教習所で

 脳卒中のリハビリを終えた人が自動車運転を再開する際、訪問リハビリによる支援が始まっている。病院から独立した立場で援助するほか、入院中の状態が悪く運転再開まで至らず、退院後に回復した場合にも利用者を支えている。

     ●地域の中で支援

     「緊張しました」。男性(55)はほっとした表情で都南自動車教習所(神奈川県座間市)での実車能力評価を終えた。昨年4月に脳卒中になり、リハビリ病院に入院。入院中は腕が上がらなかった。体が十分回復せず、注意障害も少しみられ、運転再開には至らなかった。

     住宅設備の自営業を営むこの男性が仕事に戻るには、自動車の運転再開が欠かせない。10月に退院した後は自宅でリハビリに取り組み、運転に挑戦できるまで回復。入院していた病院の紹介により「ビーケア訪問看護リハビリステーション」(東京都町田市)で「自動車運転支援プラン」を受けることになった。作業療法士の永島匡さん(33)が自宅を訪れ、神経心理学上の検査を実施。停車した車両でハンドル操作能力を確認したうえで、都南教習所での実車評価の日程を組んだ。元いたリハビリ病院にも運転再開支援はあったが、実車評価まではなく、ビーケアが地域で病院から独立した立場で支援している。

     ●回復遅れにも対応

     専門家によると、脳卒中からの回復が遅く、入院中には運転を再開できない場合がある一方、リハビリ病院の外来での運転再開支援は少ない。退院後に回復し、運転を始めたくても支援がないのが実情だ。訪問リハビリによる支援はその意味で有効だという。

     住宅設備の仕事で毎日乗っていた男性は実車評価の車庫入れや縦列駐車を一発でこなした。都南教習所の山田浩・教習部統括課長は「車体感覚がいい」と評価した。ただ一時停止で完全に止まれず、バックする際に周囲を見渡す動作が少ない。安全確認を徹底するよう助言した。運転免許センターで臨時適性検査を受けた後、運転を再開できる見通しだ。男性は「まずは運転を練習し、体力をつけて仕事を始めたい」と話す。

     ●検査、費用に課題

     訪問リハビリによる運転再開支援は昨年4月に始まったばかりで課題もある。訪問先での検査は利用者には便利な一方、機械を使った検査はできない。この男性は都南教習所の運転適性検査機で調べたところ、評価は5段階の下から二つ目で「運転は慎重に」との予想外の結果が出た。特に処置判断力の検査結果が悪かった。また山田課長は「本当は場内だけでなく路上で認知力、予測力、判断力をみないと運転能力はわからない」と路上評価の追加を勧める。

     さらにプログラム全体で6万~7万円かかるが、医療保険の診療報酬は取れず、大半は自費だ。病院が運転再開を支援する場合、作業療法士が手弁当で教習所に出向く例も多いが、ビーケアは診療報酬並みの人件費を計算した。利用者の負担をどう軽減するかも課題だ。

     永島さんは「退院後に回復した人が車で日常生活を取り戻せた例もある。教習所と協力し、機械検査や路上評価も取り入れ改良していきたい」と話す。【斎藤義彦】

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