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余録

赤穂浪士が討ち入った元禄15年12月14日は…

 赤穂浪士が討ち入った元禄15年12月14日は西暦1703年1月30日という。討ち入り当日は晴れていたが、前日までの積雪が残っていたらしい。忠臣蔵の脚色にあたり、その雪を興趣盛り上げに用いぬ手はない▲雪の歴史ドラマでは次に桜田門外の変が浮かぶ。当時の人々は桃の節句(3月3日)の雪は前代未聞だと驚いたというが、新暦で3月24日だから時折ある春の雪である。こちらは襲撃の時に降っていた雪で警護の隙(すき)を突かれたようだ▲確実な気象記録のあるのは2・26事件で、実は未明の重臣襲撃の時に降雪はなかった。気象予報士の饒村曜(にょうむら・よう)さんによれば、3日前に降った大雪の積雪が残る中、襲撃後の午前8時ごろから降り始めた雪が事件の記憶を形作ったのだ▲いずれも冬から春先、列島南岸を発達しながら東進する「南岸低気圧」による大雪でドラマチックに彩られた江戸・東京の歴史的事件だった。昔は「台湾坊主」などと呼ばれたこの低気圧である。またまた首都圏に大雪をもたらした▲昨年から列島の南を流れる黒潮の大蛇行が観測されているが、先の饒村さんによれば大蛇行の冬は東京の雪日数が増えるというデータがある。因果関係ははっきりしないものの、もしや今年も……と思わせる1月下旬の大雪となった▲いつもながら雪国の方には苦笑されそうな首都圏の「大雪」騒動だ。滑る転ぶという身の危険に始まり、都市インフラのまひから想定外のパニックドラマの不吉な予感すらはらむ現代の南岸低気圧である。

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