私事だけれど、約4年前、自宅で父をみとった。居間に医療ベッドを入れての介護だった。次第に食が細くなり、最後の数日間、固形物はほとんど口にしなかった。父は日本尊厳死協会の「リビングウイル宣言」にサインをしてあったので、訪問医療のドクターは栄養点滴などの治療は一切しなかった。栄養点滴をしていればあと数日もしくは数週間は父の人生が延びたかなあと思うことがある。しかし、床擦れがひどく、長く生きていたところで、痛みで苦しんだのかもしれない、とも思う。きっと、永遠に正解は見つけられないだろう。
9日の毎日新聞朝刊の「なるほドリ」は、「延命措置の中止とは?」というテーマだった。いまだに、延命措…
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