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社説

トランプ時代のダボス会議 保護主義に対抗できるか

 今年もスイスのスキーリゾート、ダボスに世界のリーダーたちが集まった。世界経済フォーラムの年次総会、通称ダボス会議出席のためだ。

     首脳や企業経営者、投資家、学者など、影響力を持つ3000人超の人々が、地球規模の課題について自由に意見を出し合う。

     今年のテーマは「亀裂の走る世界に共通の未来を築く」だそうだ。皮肉にも、亀裂の張本人であるトランプ氏が、米大統領として18年ぶりに参加し、最終日に演説するとあって、例年にない注目の高さである。

     トランプ大統領は、挑戦状を送るかのように、会議開幕直前、緊急輸入制限の発動を発表した。太陽光パネルと洗濯機の輸入品に対し、今後3~4年間、関税を大幅上乗せする。太陽光パネルは主に中国、洗濯機は韓国を念頭に置いているようだ。

     緊急輸入制限が即保護主義ではなく、世界貿易機関(WTO)で認められる場合もある。だが、国内の雇用創出や人気取り目的なら問題だ。

     また、WTO違反にならなくとも、保護主義の連鎖を招く恐れがある。何より、トランプ氏が「第一」とした米国の利益に必ずしもつながらない。関税引き上げに伴う価格高騰で、消費者は負担増を強いられる。

     一方、大統領より先にダボス入りしたムニューシン財務長官は、米貿易にとってドル安が良いと述べた。米国製品の輸出競争力向上が狙いだが、これも輸入品の価格上昇を招き、消費者の不利益となるだろう。

     米国第一主義をけん制するように、ダボスに集まった他国の指導者らからは、保護主義やナショナリズムに反対する発言が相次いでいる。

     「世界からの孤立に、より良い未来はない。保護主義は解答にならない」と述べたのはドイツのメルケル首相だ。インドのモディ首相、カナダのトルドー首相、フランスのマクロン大統領らも同様の発信をした。

     世界経済は現在、好調である。しかし、「自国第一」がはびこり、グローバル市場の亀裂が広がれば、成長は止まり、雇用が失われる。平和や安定さえも脅かされかねない。

     日本は自由貿易の恩恵を最大限享受してきた。これからも人口減少下で海外市場への依存度が高まる。保護主義には他国と連携し反対の声を上げねばならない。

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