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余録

大横綱の谷風にまつわる狂歌である…

 大横綱の谷風(たにかぜ)にまつわる狂歌である。「水はなのたれかはせきをせかさらん関はもとよりつよき谷風」。鼻水がたれ激しくせき込む風邪をだじゃれで詠んだこの「谷風」、力士名と風邪の名をかけている▲天明年間にはやった風邪が谷風と呼ばれたのである。負け知らずで、倒れているところを見たければ風邪を引いたときに来いと豪語した当時の谷風だった。それがまっ先にかかって寝込んだから、江戸のだじゃれ好きは黙っていない▲不幸な偶然だが、谷風は後年流行した風邪で亡くなっている。当時流行をくり返し、屈強の力士も倒した風邪は海外からのインフルエンザとみられる。一方すでに日本に定着している今日の季節性インフルエンザだが、油断は禁物だ▲今の調査方式を始めた1999年以降、1医療機関あたりの患者数が過去最多になったという。インフルエンザの大流行である。推計患者数は約283万人で、前週から112万人も増えたというから一気に感染が広がったかたちだ▲学校などの休校や学級閉鎖も前週の50倍近くに増えた。地域別では九州が多いが、すでに44都府県で警報レベルは超えたという。マスクの着用や手洗いなど個々人の感染防止の気配りが、重症化しやすい高齢者らを守ることにもなる▲「お駒風(こまかぜ)」は当たり浄瑠璃の妖婦、「お七風(しちかぜ)」は八百屋お七から風邪の名になった。昔の人が世相を心に呼び起こす名をつけたのは惨禍を忘れないためともいわれるが、歴史に名は残したくない今季の流行だ。

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