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不知火のほとりで

石牟礼道子の世界/64 初恋

悲しみをもつほど美しくなる=熊本県水俣市で、田鍋公也撮影

 <日曜カルチャー>

ふるさとの海辺の沖

 2年前の2016年1月、石牟礼道子さんの枕元に黄ばんだ原稿用紙があったのを思い出す。「渡辺さんが見つけてくださった」と石牟礼さんは言う。仕事場の段ボールの底にあったのを渡辺京二さんが見つけて持参した。30枚。「不知火」という題名が付いている。道子18~19歳の作である。

 渚(なぎさ)を彷徨(さまよ)う少女の話だ。<汐鳴り 松風 星の影 朽ち果てた小舟。十六夜の盆月、こ…

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