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メディアの戦後史

大宅壮一「一億総白痴化」 テレビの本質を見抜く

大宅壮一

 1956年11月4日、秋の早慶第2戦。慶応が優勝をかけたこの試合を日本テレビが東京・神宮球場から中継するはずだった。しかし「早慶戦の時間ですがお待ちください」とアナウンサーが繰り返すばかりで映像は現れなかった。

 3日夜の娯楽番組「何でもやりまショー」が第1戦で「早稲田の応援席で慶応の旗を振って応援すれば賞金を出す」という企画を試み、騒動になった。これを知った東京六大学野球連盟が中継を拒否したのだ。「賞金ほしさに若い男が無謀なことを行ったが、事前に知っていたNTV(日本テレビ)の態度は許せない」。連盟理事は毎日新聞4日夕刊(東京本社最終版)で憤った。テレビは放送開始3年で世帯普及率2%。年間観客動員10億人の映画全盛時代だった。

 「最高度に発達したテレビが最低級の文化を流すという逆立ち現象--マス・コミの白痴化がいちじるしい」…

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