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原発損賠改正案

難航 保険金引き上げ巡り 今国会提出断念

原発事故の賠償制度見直しのイメージ

 政府は、東京電力福島第1原発事故を受けた原子力損害賠償法改正案の今国会提出を見送ることを決めた。原発事故に備えて電力会社などが保険加入などで用意する賠償措置額(現行最大1200億円)の引き上げを盛り込む方針だが、民間の損保会社が慎重姿勢を示しているほか、賠償制度の見直しを議論する内閣府原子力委員会の部会では、国費投入に難色を示す声もあり、具体的な引き上げ方法は宙に浮いている。

     現行制度は、電力会社などに制限なく賠償責任を負わせる「無限責任制」が原則。天災が原因の事故は政府補償契約で、運転ミスなどによる事故は民間の損害保険で、最大1200億円をカバーすることを電力会社などに求めている。

     しかし福島事故の賠償支払額は約7・7兆円に達し、大幅に不足するため、政府は2011年、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を設立。同機構を通じて政府が賠償金をいったん肩代わりし、後に東電に請求する仕組みを導入した。

     原子力委の部会は、先月22日にまとめた見直しの素案で「無限責任」の維持を明記。賠償措置額の引き上げを巡っては、民間保険会社で作る「日本原子力保険プール」が「これ以上の増額に対応するのは極めて困難」と主張しており、素案では「慎重な検討が必要だ」として結論が見送られた。11年の国会付帯決議では、賠償制度を「1年をめど」に抜本的に見直すとしていたがさらに遅れる見通しとなった。国費負担についても、22日の部会で「原発事業を望まない人が負担を求められることがないよう、負担先を明確にした議論をすべきだ」などと安易な国費投入をけん制する声も出て、結論は先送りされた。

     大島堅一・龍谷大教授(環境経済学)は「賠償措置額の引き上げが難しいのは、民間では原発の事故リスクを負いきれないことの表れ。国の介入がないと維持できない事業は本来、電力自由化の市場ですべきでない」と指摘している。【岡田英】

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