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みちのく建物探訪

丸森町 斎理屋敷 当主の個性光る蔵 /宮城

通りに面して立つ「店蔵」は斎理屋敷で最も古い。1階では土産物を販売している=丸森町で
「住の蔵」2階の壁には、落書きが残る。当時の生活ぶりを伝える展示も並ぶ
敷地内にある避雷針

 約6000平方メートルの敷地に残る個性豊かな蔵や避雷針、石風呂--。江戸後期から昭和にかけ、7代続いた豪商「斎藤家」の屋敷跡「斎理屋敷」は、当時の豊かな暮らしぶりを今に伝える。

     斎藤家は、丸森町で呉服商など幅広い商売を営んできた。最後の当主は1950年に店と蔵を閉め、仙台に移住。亡くなる前年の86年、所蔵品も含めて町に寄贈した。同町は88年、長く封印されてきた屋敷跡を整備し「蔵の郷土館」として公開している。

     通りに面して建つのは、なまこ壁と大きなのれんが目をひく土蔵造り2階建ての「店蔵」で、1848年に建てられた。2階に上がると、松の木の曲がりをそのまま生かした太いはりが目に入る。佐藤勝栄館長は「自然に曲がったものだから、丈夫なんですよ」と説明する。かつて反物や着物が置かれていたため、壁にはメリヤスなどの置き場所を示す貼り紙が残る。2階は「斎理喫茶」に生まれ変わり、お昼時には地元の食材を使ったランチが楽しめる。

     水力発電事業などを手がけた6代目が1903年に建てた「嫁の蔵」は、杉やケヤキをぜいたくに使っている。明治時代に建てた「時の蔵」の床には、当時手がけた事業に関連し、つや出し粉の原料がこぼれたしみがある。使用人が住んでいた「住の蔵」2階の壁には落書きが残る。蔵は柱の間隔が狭く、杉とクリを使用しており、丈夫な造りとなっている。佐藤館長は「蔵によって多く使われた木の種類が違う。昔の人は、思いやこだわりを建物に注入していたんでしょうね」と語る。

     珍しい設備もある。ひときわ目をひく高さ26メートルの避雷針は、雷嫌いの7代目当主の意向を受けて建てたとされる。6代目当主が明治末期に親類の反対を押し切り造ったといわれる「石風呂」は、別の場所でお湯を沸かして運び入れる必要があり、手間のかかる風呂だったようだ。

     今回紹介した建物はすべて、国の登録有形文化財に指定されている。佐藤館長は「タイムスリップしたかのような気分を味わえますよ」とPRする。【山内真弓】


     ■メモ

     丸森町字町西25。山元インターチェンジから車で35分。午前9時半から午後5時(12~2月は午後4時半まで)。高校生以上610円、小中学生300円。休館日は月曜(月曜が祝日の場合翌日)。問い合わせは蔵の郷土館・斎理屋敷(0224・72・6636)。

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