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余録

度を越した豪華な酒宴を催し…

 度を越した豪華な酒宴を催し、「酒池肉林」の言葉を残したのが中国古代、殷(いん)の紂(ちゅう)王だ。叔父の箕子(きし)は王が象牙の箸を作らせた時に将来を憂えた。箸が象牙なら器もサイの角になる。美味珍味や広大な屋敷を求め、いずれは天下の富を集めても不足すると考えたのだ▲中国の古典「韓非子(かんぴし)」に記された逸話だ。数千年前から象牙が珍重されてきたことを示している。その中国が今年から象牙の国内取引を全面的に禁止した。最大の象牙消費国としてアフリカゾウの密猟を助長してきたという批判に耳を傾けた形だ▲世界自然保護基金(WWF)によると、アフリカゾウは過去10年間に11万頭も減少し、近年は年間2万頭超が犠牲になっている。経済発展で豊かになった中国で縁起物の象牙製品の需要が高まったことも密猟が増えた一因とされる▲動物保護団体などは中国の決定を評価しているが、伝統的な象牙人気が残る限り、違法な取引は消えないという懸念もある。そこで厳しい目が向けられているのが限定的ながら国内販売を認めている日本だ▲政府は「適切な管理」を強調するが、違法販売や密輸の摘発は後を絶たない。先月末にも日本から象牙の印材を中国に密輸しようとした中国人と、販売した日本人業者が警視庁に逮捕された▲日本と同様に中国市場への抜け道と見られてきた香港は2021年末から取引を全面禁止すると決めた。中国と共に長い象牙加工の歴史を持つ日本だが、そろそろ世界の大勢にならう時期ではないか。

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