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Promises 2020への約束 :米元小春、田中志穂組×溝江明香、橋本涼加組 ペア競技 花の女子会

ペア同士で共通点が多く、和やかな雰囲気で話し合う(左から)バドミントン女子の田中志穂、米元小春、ビーチバレー女子の溝江明香、橋本涼加

Promises 2020への約束

米元小春、田中志穂組×溝江明香、橋本涼加組 ペア競技 花の女子会

 2020年東京五輪・パラリンピックに向けて飛躍が期待される選手たちが競技の枠を超えて語り合う「Promises 2020への約束」は今回、初のペアで戦う選手同士の対談となり、五輪初出場を狙う女子4選手が顔をそろえた。バドミントンの女子ダブルスで昨年12月、世界のトップが集うスーパーシリーズ・ファイナルを制した米元小春(27)、田中志穂(25)組=北都銀行=と、ビーチバレーボール女子の長身ペアで日本協会の強化指定を受ける溝江明香(27)、橋本涼加(24)組=トヨタ自動車。二人の力を合わせ戦うペアならではの話で盛り上がり、終盤は「女子会」のような和やかな雰囲気で打ち解けていた。(対談は1月11日に実施)【構成・村上正、小林悠太、写真・藤井太郎】

    遠征の部屋で買い物トーク

     ――お互いの競技の印象を。

     米元 2人でやるバレーボールでかなりハードで、(屋内で行う6人制の)バレーから転向する人もいる印象があります。

     田中 日焼けとかどうしているか気になります。

     溝江 バドミントンは、ものすごく速くて、長いラリーで大変そうな印象です。

     橋本 調べたんですが、球の初速が世界で一番速いギネス記録らしいですね。

    ペアを組んで長くなるほど、コンビネーションが密になると語るバドミントン女子の米元小春
    コート上の戦略は「小春先輩に任せている」と信頼を寄せるバドミントン女子の田中志穂

     ――どういうきっかけでペアを結成しましたか。

     溝江 私は過去に2人と長く組んでいたんですが、4年間を区切りに毎回、考えるんです。16年のリオデジャネイロ五輪には出られず、新しい挑戦をしてプレースタイルを進化させるため、16年冬に私から頼みました。これまで組んだ2人は私より身長が低かった。私よりも背の高い選手と組んでレシーバーとして挑戦しようと思いパートナーチェンジをしました。

     米元 (バドミントンは)所属によって違うんですが、(リオ五輪金メダルの)高橋礼華、松友美佐紀組なら高校から組んで同じ日本ユニシスに入っています。私たちの場合は、お互いにパートナーが引退して、全日本総合選手権の出場資格を持っていた中、田中が北都銀行に入社が決まっていたとか、いろいろなきっかけがあって、(14年にペアを組み)全日本に出場しました。

     ――試合や練習以外の時間を一緒にどう過ごしていますか。

     溝江 ビーチバレーは海外遠征が多くてコーチがいない時もあり2人同じ部屋で過ごします。(遠征では)別部屋ですか?

     米元 私たちも常に2人部屋で遠征しています。国内は1人部屋です。

     溝江 何を話しているんですか。

     田中 買い物の話ですかね。

     米元 2人とも買い物が好きで、(部屋にいるときに)携帯電話で調べて、「これ買おうと思うけど、どう思う」とか話しながら、気分転換をしています。

     溝江 競技と違うことを話すんですね。私たちもコートに行けば競技のことを話すので、部屋に帰ると全然くだらないことを話します。

     橋本 一つのお題を決めて調べて話したりしますね。

     田中 例えば、どんな話をするんですか。

     溝江 得意料理や好きな本の話をしています。答えはないんですが、そんなことをしながらどっちかが先に寝るとかはあります。何か困った時はテーマを決めてやってみてもいいかも。

     橋本 あと私はビーチバレーの経験が浅いので、明香さんにできるだけその経験を聞くというのもやっています。

     米元 先輩に怒られたりはしますか。

     橋本 はい。

     溝江 するよね。試合中はないけど、練習や試合後とか。

     田中 (私たちは)ケンカはないけど、しゃべらなくなります。お互いに。

     米元 話さない間に考えていて、話すときは冷静に話すよね。

     溝江 私たちは両方ともよくしゃべる。結成当初に「コミュニケーションにエネルギーを使うこと」を目標にした。嫌なことがあっても、それを言う宣言を最初にしていた。

     橋本 私は何かと宣言したいタイプで、何かあるたびに「こうします」と言っています。

     田中 宣言したら妥協できないですよね。

     橋本 言ったからにはやりたいと思うんです。これまでサンバイザーで試合に出ているんですけど、今年はヘアバンドで挑むと宣言しました。

     溝江 「そうか、OK」って感じでした(笑い)。

    ペア結成時にコミュニケーションを大事にすると決めたというビーチバレー女子の溝江明香
    パートナーは3歳年上だが、「指示待ちではダメ」と言い切るビーチバレー女子の橋本涼加

     ――先輩後輩の関係はコートでも続いているんですか。

     田中 高校の先輩なので、「小春先輩」と呼んでいます。ラリー中は名前で呼ばず、「お願いします」とか。たまに、「お願い」と言ってしまい、(心の中で)「やばい」と思うことはありますね。

     米元 そんなことあるんだ。全然気づかなかった。

     橋本 「お願い」「ごめん」とかはありますね。

     溝江 ラリー中は短い言葉で話すので、普通にかけ声という感じかな。

     ――試合前の戦略はどうやって立てていますか。

     田中 試合前に(相手の)ビデオを見るんですけど、それぞれで見ますね。どうですか。

     溝江 一緒もあれば別々でもあります。私が(戦略を)基本的に立てて、対戦中に変更したり狙いを変えたりと、かじ取りをしながら伝えています。ポジションは(橋本が)ブロッカーで、私が後ろでレシーブをする役割です。(橋本の方が)相手の近くにいるので、その印象を聞きながら作戦を立てたりもしますね。

     米元 ローテーションするんですが、(私が)前衛で、(田中が)後衛と決めている。

     溝江 前や後ろが得意とかがあるということですか。

     米元 パワーやカバー力があって、打ち分けがうまくコートを広く使えるので(田中が)後衛です。

     橋本 サインは決まっているんですか。

     米元 どこにサーブを打つとかはあるけど、ラリー中はないですね。

     田中 組んでいたら(ペアの)動きが分かってきますね。(溝江と橋本はペア結成)1年ですが、そんなに組む期間はいらないんですか。

     橋本 長い方がいいですよ。コンビネーションやこういう動きをしたらこの辺に球がくるなとか、時間を積み重ねた方がより分かりやすく、密になります。互いに関係性が似ていますね。シンパシーをすごく感じます。

     ――屋内外の違いはありますが、風についてはどう考え、対策をとっていますか。

     米元 (空調による)風によって戦略や作戦を決めています。この相手なら風上から入った方がいいとか。風下の方がやりやすい相手もいる。相手の得意不得意もあるので。

     溝江 ビーチバレーは風下がやりやすい。風上はボールが落ちるのでレシーブするのが難しい。風下はボールが寄ってきてくれます。

     米元 レシーブをはじくと2人だから大変ですよね。

     溝江 相当必死に走ってトスして、すぐにブロックされてもいいように走ります。いつもフォローに走らされています(笑い)。

     ――コンビネーションを高めるためにどういうことを考えていますか。

     橋本 (溝江から)言われていることは的確なので自分がどう動けるかだと思っています。指示待ちになるだけではダメだと思っています。自分から行動しないといけない。

     田中 (米元に)戦略を完璧に任せています。正しいと思っているのでやるだけです。

    東京五輪は絶対出たい

     ――約2年半後に迫った東京五輪に向けて、現在はどう意識して練習や大会に臨んでいますか。

     橋本 東京五輪に出場するために6人制のバレーボールからビーチバレーに転向しました。東京五輪に出たい気持ちは人一倍強いと思っています。

     溝江 12年のロンドン五輪の前から日本代表に選出されてきたが、ロンドン五輪、リオ五輪と2大会とも最終予選までいって出場権を獲得できなかった。地元開催で2大会分の悔しさを爆発できるように絶対に出たいという気持ちが強い。

     米元 リオ五輪で同学年の高橋(礼華)がバドミントン女子ダブルスの金メダルを取った。これまでは、すごい遠い存在だったが、(17年から)A代表に入って世界を感じて成長できていると思っている。国内にライバルは多く、五輪出場はそう甘くないとは思っている。この1年間も勝負し挑戦したい。

     田中 性格的に意識しすぎるとダメなので今年は一つ一つの大会を積み重ねていきたい。その延長線上に東京五輪が見えてくるんじゃないかなと思っています。

    それぞれの競技用具を手にポーズを取る(左から)バドミントン女子の田中志穂、米元小春、ビーチバレー女子の溝江明香、橋本涼加

     よねもと・こはる 広島県出身。青森山田高時代はジュニア日本代表で同学年でリオ五輪金メダルの高橋礼華とペアを組んでいた。所属先のパナソニックの廃部に伴い2013年に北都銀行へ移籍。14年末に田中とペアを結成。166センチ。

     たなか・しほ 熊本県出身。青森山田高時代は2010年の全国高校総体で女子ダブルス優勝。法大卒業後の15年春に北都銀行入り。16年の全日本総合選手権準優勝。17年4月のインド・オープンでスーパーシリーズ初優勝。160センチ。

     みぞえ・さやか 東京都出身。高校3年でビーチバレーに転向。田中姿子や西堀健実とのペアで、2011~14年に全日本女子選手権4連覇。16年冬に橋本とペアを組み、17年3月のワールドツアーシドニー大会8強。176センチ。

     はしもと・すずか 三重県出身。津商高卒業後、実業団のデンソーに入り、6人制バレーで活躍。2013年のU23(23歳以下)世界選手権で日本の銅メダル獲得に貢献。16年6月にデンソーを退団し、ビーチバレーに転向した。184センチ。