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社説

ウナギ稚魚の記録的不漁 資源の激減前提に対策を

 ウナギを食べられなくなる日がやってくる。そんな懸念が、現実味を帯びつつある。

     ニホンウナギの稚魚シラスウナギが今期は、記録的不漁だという。

     稚魚は秋から春にかけ、海流に乗って台湾や中国、日本の沿岸に来遊する。国内で流通するニホンウナギの大半は、こうした稚魚を捕獲し、養殖したものだ。

     水産庁はまだ、今期の稚魚の漁獲量を公表していないものの、昨年11~12月に国内の養殖池に入れられた稚魚の量は0・2トンで、前年同期の5・9トン(輸入3・4トン、国内捕獲2・5トン)に比べ約30分の1に低迷している。台湾や中国も不漁で、稚魚の輸入量も激減した。

     国内の先月の漁獲量はある程度上向いたようだと水産庁は言うが、不漁であることに変わりはない。

     ウナギの養殖は、1月ごろまでに漁獲した稚魚を約半年養殖し、夏の土用の丑(うし)の日向けに出荷する単年養殖と、1年半程度かけて養殖する周年養殖の2種類ある。流通量の多くは周年養殖なので、今夏にウナギが極端な品薄になることはないと、斎藤健農相は述べている。

     だからといって、このまま手をこまねいていてよいのだろうか。

     ニホンウナギの資源量が激減したのか、それとも稚魚を運ぶ海流の変化などの影響なのか。今期の極端な不漁の原因はよく分からない。

     それでも、ウナギの持続可能な利用を目指すのなら、資源量の激減を前提にした対策が急務となる。

     日本、中国、韓国、台湾は、国際自然保護連合がニホンウナギを絶滅危惧種に指定したことを受け、2015年から養殖池に入れる稚魚の量に上限枠を設定した。

     だが、4カ国・地域が使った量の合計は上限枠の5~6割程度だ。枠が緩すぎ、事実上の取り放題になっている。早急に見直すべきである。

     産卵に向かう親ウナギの漁獲も全国一律で禁止したい。漁獲禁止は都道府県知事の権限で、現在は一部の県にとどまる。ウナギが生息しやすい河川環境の回復も今後の課題だ。

     野生生物の国際取引に関するワシントン条約締約国会議が来年、スリランカで開かれる。ニホンウナギが取引の規制対象となる可能性が高まっていることは間違いない。

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